
チュニジア旅行を振り返って
チュニジア旅行は冒険だった。
現地の人と同じように電車や乗り合いタクシーを使い、歩けるところは歩いた。
ニースに戻ってきてからチュニジア人の知り合いにそう話すと、誰もが
「それは良い旅をしたねぇ!」と目を細めて喜んでくれた。そう、本当に良い旅だった。
チュニジアには素晴らしい自然があって、歴史の名残があって、優しい人がたくさんいる。
食べ物もおいしかったし、どこに行ってもフランス語が通じるのは楽だった。
しかし、考えさせられたこともたくさんあった。
今となっては大した金額ではないのでなんとも思わないのだが、何度もぼったくられたし、
ミネラル・ウォーターを一本買うのですら、いちいち値段を確認して、
高い場合は交渉しなくてはいけないのは本当に嫌だった。時間がもったいないと思った。
ひどい押し売りや、しつこい客引きに何度もうんざりすることがあった。
性でお金を稼ごうとする(そうするしかない)子供達を目の当たりにして、悲しさでいっぱいになった。
「世界の中で、お腹が空いた時にモノを自由に食べられるのはわずか20%の人達だけである。」という文章が
何度も頭に浮かんだ。チュニジアはアフリカ大陸の国の中では安定しているし、豊かな方だと思う。
それでも、ここの国の人たちは、一部の裕福層をのぞいては、その20%の中に入らないと思える。
そして、食べるか食べないかの生活では、いつも犠牲になるのは子供や老人と言った弱いものなのだ。。。
地元の人に少しでもお金を落としてあげたい反面、観光客がむやみやたらにお金を渡すことで、
現地の経済バランスが狂ってしまうことも考えた。お金はいつも難しい問題だった。
でも、チュニジア人が可哀相かと言えば、そんなことはない。うらやましい面もたくさんあった。
まず最初は「強いこと」。何が強いかと言うと、生命力のようなもの。
私達の社会では、モノに値段があって、何もかもに決まりがあって、お店に行けば食べるものが買えるし、
病気になったらすぐに診てもらえる。どこに行っても衛生の問題はほとんどない。
物質的に豊かなのはありがたいことではあるが、その反面、便利な世の中に慣れきってしまい、
失われた能力がたくさんあるのではないかと思った。
チュニジア人は私達よりずっと強い。そう思わされることが何度もあった。
強くなければ生きていけないからだ。
もし自分がそんな状況にいたら、耐えられるだろうか。
もし今この世の中が砂漠になったとしたら、私達は生きていけるだろうか。
サバイバルできるだけの力はあるだろうか。。。答えはNOである。
私はチュニジア旅行でよくそのことを考えた。
人間が持つ本能をもっと磨かないといけない。
便利さに飼い慣らされてはいけない。
どこに放り出されても生きていけるように、基本を身につけなければいけない。
便利じゃない生き方も知らなければいけない。
自分の子供にもそのことを教えていこうと思った。
いつ、どんな状況でも生き延びることができるように。。。
治安の良さにも驚いた。もちろん、スリやひったくりには遭わないよう、荷物には気をつけていたが、
ニースの街を歩くよりずっとリラックスして歩くことができた。夜も恐くなかったのには本当に驚いた。
そして、豊かさと言う面でも考えるところがあった。私達の社会では、いつ、どんな時でも食べ物が手に入る。
一年中食べられる野菜や果物も多いし、毎日お肉やお魚を食べることができる。
しかし、それは自然なことではない。
チュニジアで食べた鶏肉は鶏肉の味がして、トマトはトマトの味がした。
物質的に豊かなはずの私達の社会で、これと同じものを探そうとしたら、手間ひまとお金がかかる。
故に恩恵に被れない人もたくさんいる。「豊かさ」というのは何なのか。「幸せ」というのは何なのか。
答えは簡単に出るものではない。だけど、時々こうやって考えてみるのは悪くないと思った。
チュニジアにまた行きたいかと聞かれたら、答えはイエス。
特に、テントを張りながら砂漠を歩くツアーにはいつか参加してみたいと思っている。
来年また行きたいかと聞かれたら、答えはノー。
チュニジア旅行は色々なことを学ぶことができる反面、ものすごく疲れる旅だったので、
また行くのは自分がもう少し強くなってからがいい。
チュニジア旅行での一番の思い出は人の優しさである。
親切で人なつっこい性格の人がたくさんいて、私達は何度も助けられた。
地元の人と話をすることによって、新しい世界を見せてもらった。
砂漠で、海で、島で、電車で、船で、、、チュニジアの思い出はチュニジア人との交流の思い出でもある。
旅行中に出会った全ての人達に心から感謝したい。
途切れ途切れで今までかかってしまった「チュニジア旅行記」。
最後までご覧になってくださった皆様、どうもありがとうございました!
終
2007年4月12日
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