
2006年10月31日 13日目後半 スース 晴れ
部屋に戻って水着の用意をし、午後はビーチに繰り出した。
やしの木の葉っぱで編んだと思われるエキゾチックなパラソルが並ぶプライベートビーチ、長く続く遊歩道、
ビーチベッドに横たわる西洋人、数々のホテル、、、栗と、ジュアン・レ・パンみたいだねと話した。
(ジュアン・レ・パンとは、アンティーブとカンヌの間にあるリゾート地。夏はものすごく賑わう。)
パラソルがない公衆ビーチもあって、そこにもぽつぽつと西洋人がいた。あれは絶対フランス人に違いないと
近づいて行くと、やっぱりみんなフランス人だった。
フランス人というのは、お金をかけずに楽しむことに関してはずば抜けた才能を持っている。
(ストレートに言えばケチ。笑)。私達も周りの人に倣い、公衆ビーチで過ごすことにした。
波があったが水の中に入ってみることにした。最初はひんやり感じたが、すぐに慣れた。そう冷たくはない。
あやぴーは波に大喜び。キャーキャー言って飛び跳ねたり、波と共にグルグル回ったりしていた。
監視をしながら、栗も童心に戻って遊んでいた。ニースの海では波が立つと遊泳禁止の赤い旗が上げられるのだが、
栗が子供の頃、この旗を見るとチャンス到来。弟と一緒に延々と波で遊んでいたそうだ。
私は一足先に砂浜に戻り、太ももの運動や腕立て伏せをして過ごした。まもなくすると栗とあやぴーも戻ってきた。
栗は横になり、あやぴーは砂の城を作って遊んでいた。まもなくすると栗も目覚め、あやぴーの城作りを
手伝い始めた。最後にもう一度と言って、波で遊び、そろそろ寒くなってきたのでホテルへ戻ることにした。
一旦ホテルに戻りシャワーを浴びてから、私は一人でハマム(公衆浴場)へ行くことにした。
栗とあやぴーがハマムまで送ってくれて、45分後に待ち合わせをして一人で暖簾をくぐった。
中に入ると、上半身裸の女性がずらり。番台のおばちゃんにマッサージはいるかと聞かれたのでお願いすると、
マッサージが5ディナール、ハマム使用料5ディナールで10ディナールだと言われた。
貸しタオル代は別途1ディナールだと言われたが、5ディナールと500ミリーム(0,5ディナール)しかないと言うと、
おばちゃんは500ミリームを私の手から奪い取った。
洋服を脱ぐようにと女の子に言われる。彼女が私がビニール袋に詰め込んできた道具をチェックし、
必要なものだけ取り出してくれた。マッサージのおばさんに連れられてハマムの中に入る。ここで待つように
とのこと。軽い温かさで気持ちがいい。おばさんが熱湯バケツを持ってきて、この中に足を入れるようにと言った。
両足を入れていると少しずつ汗が出てきた。おばさんが石鹸で少し洗ってくれた。
それからマッサージ台に移動し、垢すりがスタートした。すごい量の垢が出るのでビックリ。ただ、日本で体験した
韓国垢すりとは雲泥の差。おばさんの乱暴さと口の臭さに閉口しつつ、言うなりになった。顔もゴシゴシ洗われた。
ひぃ~っ!(汗)。マッサージの方は軽く3分ほど。最後になんちゃって整体のようなことをして完了。
いすに座れるように言われたのでそちらに向かう。シャンプーをするらしい。こちらも力まかせにゴシゴシ。
首と肩のマッサージ付きだったがなんだかなぁと言う感じ。最後に私が薬局で買って持参した自分の体洗いミトンと
石鹸を使って、おばさんが全身を洗ってくれた。ものすごい勢いで熱湯をかけられて終わる。
窒息して死ぬかと思った。。。(汗)
あっちへ行けと言われたのでそちらへ向かうと、そこは出口だった。
フラフラなので着替えをした場所に座っていると、女の子が来て「早く帰れ!」と言う。
ムッとした私は、疲れているから少し休みたいのだと反論すると、ジュースは要るかと言って来た。
当然別料金なのでお断りする。いくら取られるかわかったもんじゃない。
ふと目を凝らすと、アラブ語と、2500、2000、1000という数字の書かれた看板が見えた。
私の10ディナール(+タオル代1ディナール)と言うのは、もしかしたらぼられたんじゃないかと思い始めた。
女の子の不愉快な態度にも腹を立てていたので、本人に向かってそう言ってみた。
すると、女の子はあわててマッサージのおばさんのところに行き、そのまま戻ってこなかった。
こうなったらぼられた分だけ居座ってやろうとゆっくり休むことにする。
別のおばさんが手招きするのでそちらへ行くと、クッキーを一つくれた。
はっきり言って食べる気は全くしなかったが、断るのも大人気ないかと思い、一つ頂いて手に持った。
若い女の子に、「ガイドブックに書いてある値段よりずいぶん高いみたいだけど。」となおも言うと
(我ながら今考えるとしつこいのだが。笑)、マッサージのおばさんがやってきて、「私に5ディナール
(5000ミリーム)、ハマム入場料が3ディナール、タオル1ディナール、合計9ディナール」と言い、
番頭のおばさんに1ディナール返すよう言ってくれた。でも、貸しタオル料としておばさんが別に500ミリーム
持っていったのだけど、そのことはいくら説明しても誰も聞き入れてくれなかった。
いい加減うんざりしてきたので、500ミリームは諦めることにした。
私が「フランスに帰ったら、ここを紹介していたガイドブックに全部で9ディナールだと手紙を書いておく。」と
言うと、急に大騒ぎになった。中から別のおばさんが来て、「マッサージの人に5ディナール、タオルが
1ディナール、ゴマージュとシャンプーで3ディナールだから9ディナールなのよ。本当なのよ。」と説明してくれた。
9ディナールなのは合ってるけど、さっきの人と言うことが違ってるよ。。。
しかし、フランス語が一番達者なこのおばさんに私は続けることにした。「でもね、ガイドブックにちゃんと正規の
値段を書いてもらった方がいいと思う。だって、想像していたより料金が高かったら誰だって嫌な思いをするでしょう?
でも最初から9ディナールって書いてあったら誰も何とも思わない。高いと思う人は最初から来ないだろうし。」と
言うと、おばさんは頷き、「そう、9ディナールってちゃんと書かないとダメよ。マッサージやシャンプーは別料金って
ことも。」と言い、感じの悪い若い女の子も頷いた。「それならいいのよ。間違っていたのはガイドブックで、9ディナールと
言うのが正しい料金だと言うのなら、そう思うことにする。」と私が言ってクッキーを口にすると、みんながようやく
「やれやれ。」という顔をした。
と言っても、私はやられたと思い、内心むかつきまくっていたのだが、くどくどくどくどひつこく食い下がったことで、
少し気分が収まった。ハマムを出ると栗達はまだ来ていなかった。でも、その場で待つのは嫌だったので、少し道を進む
ことにした。普通、一人で歩いていると恐ろしいほど声をかけられるのだが、怒りのために競歩ばりの速足で歩いていたため、
周りのことは全く目に入らなかった。
遠くに栗とあやぴーを見つけた時は心からホッとした。「やられたよ~!(涙)」と言って、栗に事の一部始終を話した。
「最初に払っちゃいけないんだよ。高いと言って値引き交渉し、支払いは最後と言うのがこの国の鉄則じゃないか。」と
叱られたが、「でも、気持ちはわかる。いちいち値段の交渉をしなくちゃいけないのって本当に面倒だよね。」と栗は笑った。
「まさかハマムでも値段交渉しなくちゃいけないなんて思わなかったよ。」と私が言うと、「アラブ語がわからない観光客の上、
日本人なんだもん。そりゃカモだよ、カモ。」と言われた。ガックリ。。。「で、肝心のマッサージはどうだったのよ?」と
聞かれたので、乱暴で窒息しそうになったけど、肌はすべすべになったみたいだと言った。「なら、まぁ良かったじゃないか。
目的は果たせたんだから。」と栗が言うので、そうかもしれないと思い直した。
確かに、1から10まで手取り足取り世話してもらって、垢すりしてもらって、体も髪の毛も洗ってもらって、
タオルも借りて9ディナール(約800円)と言うのは、メチャクチャ安い。生活基準が違うので観光客が高く払うのは
当然のことかもしれない。だけど、同じような物価のギリシャではこういう目に遭わなかった。日本の100円ショップでも、
日本人は100円で物価が高いヨーロッパ人は200円ということがあるだろうか。絶対にありえない。この国の文化や人の在り方、
私達にはまだまだわからないようだ。もちろん、これまでにものすごく親切なチュニジア人にたくさん出会い、助けてもらったり、楽しい時間を過ごしたりして、この国が人と自然に恵まれた素晴らしい国だと思うことに変わりはない。だけど、いつも注意して人に接すること、値段をしっかり見て、言われるままにホイホイ払わないことは肝に念じて
おかなければと改めて思った。特に私は「超」がつくほどのお人よしで、すぐに人を信じてしまう方なので、今回のことは
とても良い勉強になった。
公衆電話に行き、チュニスのホテルに電話をかける。既に予約はしてあるが、予定より1日早く明日帰れたらと思ったのだ。
あいにく私達が予約した部屋は予定日にならないと空かないが、バスなしの部屋でよければ泊まれると言う。1日くらいは
バスなしでも全然OKなので、そうお願いすることにした。
それからインターネットカフェに寄る。前回チェックした時は緊急のメールがなかったので時間を空けていたら、
今回は至急案件がたくさんあり、返事を書くのに手間がかかってしまった。あやぴーから「おなか空いた!」とブーイング。
ゴメンね。。。
インターネットカフェと同じ通りにある小さなレストランで夕飯。あやぴーは鶏肉のロースト、ようやく復活気味の栗は
ターキーの薄切り肉ソテー。付け合せはサラダを抜きにしてフライドポテトだけにしてもらうよう頼んでいた。
私は仔羊のクスクス。

料理がすぐ出てきたのでビックリした。クスクスは青唐辛子がのぞいていて、一口食べてみたらおいしかった。ホクホク。
店内はすぐに満席になったが、誰もが食べ終わるとさっさと出て行き、きびきびと働くお兄さんがすぐにテーブルを
片付けるので、ひっきりなしに客が出入りしていた。一人で食事をしている人も多い。その中に、男色家と思われるチュニジア人男性がいて、栗がその人の行動に釘付けになった。
なんでも、私達の前の席にいたフランス人男性に声をかけたり、ウインクしたり、ウエイターのお兄さんが通るたびに
しげしげとお尻を眺めたりと忙しい。フランス人のおじいさん二人組とは知り合いのようで一緒におしゃべりをしていたが、
二人に先に帰られてしまい、しょんぼりしていた。いや~、色々な人がいるものだ。。。
食後にミントティ-を頂き、店を出る。ホテルの近くのおみやげ屋さんのお兄さんから、栗が「フランス人の盗賊さん」と
声をかけられた。新たな客寄せ用の呼び名かと不思議がっていると、栗が「おおっ、なんとチュニジア人の盗賊さんでは
ないか!」と笑顔を返し、そのまま通り過ぎた。
今のは何なんだと聞くと、今朝私達が歩いている時、そのチュニジア人男性が栗をお店に呼び込もうとして、あいさつの
ふりして手を握ってきたそうなのだ。しかし、ギュッと握ったその手を離さなかったため、栗が相手の手をねじり上げて
しまったのだ。反射神経で。相手はビックリしてすぐ手を離し、そのまま解放されたとか。一瞬の出来事だったらしい。
前を歩いていた私は全然気付かなかったのだから。栗自身もそのことはすっかり忘れていたそう。しかし、その人は
栗のことを覚えていた。ケンカ慣れした悪党だと言いたかったのかもしれない。でも、お兄さん、相手が悪いよ。
栗を驚かせるのにはリスクがつきものだと言うことをよく知っている私は、思わず笑ってしまった。。。
ホテルに戻り、あやぴーとの約束通り、少しUNOをして遊んだ。明日はいよいよチュニスに戻り、もうすぐ旅が終わる。
早くニースに帰りたいような、まだ旅をしていたいような複雑な思いが交差している。
つづく。。。
ハマム
Hammam Cornicherue du 2-Mars-1932
私の経験上、全くオススメしないどころか
行かないようにという注意するために
敢えて名前とアドレスを出しました。
どうしても行ってみたい方は
ぼられるのも経験と割り切って行きましょう。
インターネットカフェ
Publinetrue Remada
(Avenue Habib Bourghibaに平行した一本東側の道)
若い女学生が店番をしていて、
接続スピードは遅いけど感じの良いお店でした。
夕飯を取ったレストラン
El Ons et Les amisrue Remada
インターネットカフェの3,4軒先。
食堂みたいな素っ気ないお店ですが、
回転が良く、地元の人が多く、良心的な値段で
チュニジア料理を味わうことができます。
宿泊したホテル
Residence El-Faracharue du Papillon
(『Guide du Routard "Tunisie"
参考にしました!)
こじんまりしたプチホテル。
青と白を基調にしたインテリアで、
テラスもあります。(洗濯物を干すのに便利!)
1泊朝食つきで42ディナール(約3800円)だと
思っていたら、オフシーズン料金になったのか
1泊30ディナール(約2700円)でした。
お得で良いホテルだと思います。
スタッフもみんな優しかったし、
ビーチにも近いのです。
チュニジアへのおすすめ書籍
●地球の歩き方 「チュニジア」●旅の指さし会話帳〈47〉モロッコ(マグレブ語)
●Lonely Planet "Tunisia"
●Michelin Neos Guide "Tunisia"
●Guide du Routard "Tunisie"