
(サントリーニ島のPYGROS村にあった教会)
2004年10月21日(木)晴れ - サントリーニ島(ティラ島 )
船中泊。「まもなく、ティラ、サントリーニ島に到着します。」という船内アナウンスで目が覚めた。
時計を見ると午前6時。予定より45分遅れのようだ。
道中、2つ3つの島に寄り、そのたびにアナウンスがかかるので、なんとなく寝不足を感じる。
予想していたことではあるが。。。
すばやく身支度を整えて、船を降りると、すぐ迎えに来てくれていたホテルのご主人と落ち合うことができた。
港には他にもホテルの人がたくさん来ていて、熱心に客引きをしていた。
私達は主人と一緒にホテルのバンに乗り、首都FIRA(フィラ)に向けて出発した。
急坂を延々と登り、左右に海を見ながら車が走る。港からは意外と遠い。
フィラ市内に入ると、ご主人が「この辺りが街の中心地です。」と教えてくれた。
中心地を通り過ぎると、住宅地のようなところになり、車はその中の一軒に入っていった。
宿に着くと、ご主人が「お客様が宿泊される部屋にはまだ人がいるのですが、違う部屋が空いています。
よければそちらで仮眠を取りませんか?」と言ってくれた。思いがけぬ言葉に耳を疑いそうになった。
疲れていたので仮眠を取れたらいいなぁとは思っていたが、まさか違う部屋を与えてくれるとは
思ってもいなかったのだ。私達が部屋を使えば、そこは掃除をしなければいけない(イコール経費がかかる)のだから。。。
オフシーズンで部屋が空いていたおかげだとは思うが、ホテルの人の優しさがうれしく、
喜んでお言葉に甘えることにした。
部屋の中に荷物を適当に置き、ベッドに入る。すぐに3人とも眠りに落ちた。
再び目を覚ました時はすっきりしていて、今日は素晴らしい一日を過ごせそうだと元気いっぱいになった。
荷物を持って部屋を出ると、「プールサイドで朝食をどうぞ。」と言われたので、「いいのかしら。」と思いながらも、
誘われるがままにテーブルについた。温かい飲み物をオーダーすると、陽気なおばさんが大きなトレーに朝食を乗せて
持ってきてくれた。パン、ゆで卵、ハム、チーズ、オレンジジュース、バタ-にジャム。栗とあやぴーのココアと、
私のコーヒー。
海が見えて気持ち良い。「いいところだねぇ。」とのんびりしていると、フランス人の老夫婦から声をかけられた。
奥様はイギリス人だが、長年フランスに住んでいるとのこと。彼らの旅はそろそろ終盤で、2日後にはフランスに戻ると
言う。私達が次にパロス島に行く予定だと話すと、お勧めの宿を教えてくれたので、ガイドブックの空白欄に書き写した。
朝食を終えてから、フィラの街中に出かけた。ホテルの辺りの静けさとは一変してすごい人。
小さな狭い道にはお土産屋や宝飾品店がひっきりなしに並んでいる。
丘を登りきると、目の前にクレーターのある火山島が現れた。青い海が広がり、船も見える。
なんて美しいところなんだろうと思いながら、しばらく景色を眺めた。
日差しが強くなってきたが、散歩を続ける。ギリシャには珍しいカトリックの教会を見学した後、修道院の教会に入った。
祭壇のところにはカーテンがひかれていて、中が見えないようになっている。
しかし、しばらくすると女性の声が聞こえてきた。お昼のミサのようだ。
ギリシャ語なので、全く意味がわからなかったが、賛美歌のコーラスはとてもきれいだったので、しばらく椅子に座って
歌を聴かせてもらった。
お昼ご飯にはフランスのガイドブックに載っていたレストランに行くことにした。
火山島(NEA KAMENI)が見える散歩道にある。全てテラス席だったので、海がよく見える一番外側のテーブルに
ついた。お店の人が双眼鏡を貸してくれたので、火山島を眺める。
クレーター以外はこれと言って判別ができなかったが、双眼鏡で遠くを見るのはとても楽しかった。
あまり混んでいなかったので、注文した料理はすぐにやってきた。あやぴーはトマトときゅうりのサラダ、
栗はギリシャ風サラダに肉団子のトマトソース、私は魚のグリル。おいしくて、ボリュームいっぱい。
でも、何より良かったのは、ウエイターさんの感じの良さだと思う。
私達にはフランス語、隣のイタリア人夫婦にはイタリア語、その横のドイツ人夫婦にはドイツ語という風に
何ヶ国語も流暢に操りながら、作り物ではない自然な笑顔で接客してくれたのがうれしかった。
実はこのお店でのランチがギリシャ旅行中一番高くついた食事だったのだが、世界的観光地のサントリーニ島だし、
海が見えるレストランだし、素晴らしいサービスなので許せる。それに高いと言っても3人で37ユーロ。
ニースの海が見えるレストランでは、この値段で三人は食事できない。
色々頼んだからか、私達にはミネラルウォーター、あやぴーに缶入りアイスティー(ピーチ味)をサービスしてくれた。
帰り際にも、ミネラルウォーターの小さなボトルと、あやぴーにまた缶入りアイスティー(今度はレモン味)を
お土産にもらった。あやぴーは大喜びだった。
一旦ホテルに戻り、正式なチェックインを済ませた。私達の部屋はプールサイドに面した1階の9号室。
白が基調で、アンティ-ク風の家具が置かれた広い部屋である。テラスから直接プールに行けるのが魅力。
荷物を解いて少し休憩してから、早速プールで泳ぐことにした。水は冷たかったけど良い気持ち。
栗とあやぴーは長いことプ-ルで遊んでいた。
夕方になったので、再び出かけることにした。バスターミナルからバスに乗り、サントリーニ島で一番高い位置に
あるというPYGROS(ピグロス)という村へ。大人片道0,9ユーロ。田舎道を通り、15分ほどで村に到着した。
ところが!バスを降りてしばらくすると栗が青ざめた。車内にガイドブックを忘れてきてしまったのだ!!!
「バカ!バカ!バカ!」とひとしきり怒った後(栗も自分で自分に怒っていたが)、今更どうしようもないことなので
諦める。せっかく来た村を見ないのはもったいない。帰りのバスかバスターミナルで問い合わせをすればいいし、
もし見つからなかったとしても何とかなるだろう。がっくりとうなだれる栗を「カードやパスポートをなくしたわけじゃ
ないんだから。」となぐさめた。
この村も白い建物がひしめいている。青くて丸い屋根の教会が素敵。よく写真で見かけるサントリーニ島の景色があった。
なんてきれいなんだろう!ガイドブックはなくしてしまったけれど、ここに来て良かったと思った。
栗は相変わらず落ち込んでいるので、まあまあとなぐさめながらの散策となった。
頂上にあるカフェの前に子猫がいた。あやぴーが喜んで、私達も立ち止まった。そこに通りかかったご夫婦がたまたま
フランス人だったので、栗が彼らに声をかけた。事情を話し、もしご迷惑でなければ、ガイドブックを少し写させて
もらえないかとお願いした。その中年夫婦はあいにくガイドブックをレンタカーの中に置いて来てしまったらしいのだが、
もし私達が彼らの車まで一緒に行くことが嫌でなければ、自分たちは時間に余裕があるからガイドブックの必要な記事を
写してもらって構わないよ、と言ってくれた。
私達はご夫婦の車まで行くことに決め、一緒に広場まで降りることにした。行きとは違う風景を見ながらのんびり歩く。
おじさんが、「ほら、見てごらん。これは散策コースの矢印なんだよ。」と道を指差しながら話してくれた。
確かに歩道には矢印がかかれていた。そんなの全然気付かなかった。なんだかんだ言って、栗も私もガイドブックのことで
頭がいっぱいだったのだろう。
ようやく車につき、栗がおじさんと話しながらガイドブックを写させてもらう間、私はおばさんとおしゃべりした。
すると行きに乗ってきたバスが通りかかった。運転席を見ると行きの運転手さんである。
本能的に「行かなくちゃ!」と思い、「栗!あたし、ちょっと聞いてくる!」とあやぴーを連れて走った。
バスがぐるりと周って、停車した。後ろから栗がきて、私より先に乗り込んだ。「え?このまま乗って行くの?!」と驚き、
「フランス人のご夫婦に御礼を言ってない!」と、急いでバスから手を大きく振った。
おじさんもおばさんも笑顔で手を振り返してくれた。
栗が車掌さんにガイドブックのことを尋ねると、「ハイハイ」と頷きながら、ガイドブックを渡してくれた。
えっ、あるの?!なんでも、乗客の人が届けてくれたらしい。ヤッター!!!栗と二人で大喜び。
早速空いている席に座り、バスは出発した。
「私、また車に戻ると思ってたから、フランス人のご夫婦に御礼言わなかった。。。」と栗に言うと、
「君はあわてんぼうだからね。僕がちゃんと御礼を言っておいたから大丈夫だよ。」と笑っていた。
一言余計と思いつつ、栗の笑顔がうれしかった。
しょんぼりした姿より、皮肉の一つでも言ってくれた方が栗らしくて安心だから。(笑)
良かったねぇと話していると、前の席の人がひょっこり顔を出した。
なんと、今朝ホテルでおしゃべりした同じホテルの老夫婦ではないか。
そして、彼らこそが私達のガイドブックを見つけてくれた乗客だったのだ!!!
イギリス人のマダムが言った。「私がガイドブックを見つけたのよ。誰かが忘れていったんだわ、かわいそうに、、、と思って、
中をパラパラめくったら、今朝話したホテルがメモしてあるじゃない!あなた達のガイドブックだと知って驚いたのよー。
世界は狭いと言うか何と言うか。。。」と笑った。私達も微笑んだ。
ご夫婦は行きたい村があってバスに乗ったそうなのだが、降りる場所がわからず、かれこれ1時間もこのバスに
乗っていると聞き、またみんなで笑った。そう言えば、私達もバスの仕組みがよくわからない。
行きのバスは午後5時出発と言いながら、その前に出てしまったし、帰りのバスは6時45分と言っていたのに、
時計を見ると6時10分。早めに広場に出ておいてよかったことだけは確かである。。。
フィラのバスターミナルに戻ると、おじいさんが「走れば夕日が沈むところを見れるかもしれないよ。」と
教えてくれたので、三人で手をつなぎ、猛ダッシュした。おかげで無事間に合った!
壁にもたれながら見れる場所を探し、目の前にある大きな夕日を眺めた。
真っ赤な太陽は少しずつ少しずつ下がり、やがて視界から消えていった。まるで海の中に落ちてしまったかのように。
見るものはもう何もなかったが、目の裏に残っている夕日の姿を思い出しながら、私達は空を見続けた。
ほんの5分のことだったが、こんなに充実した時間を過ごしたのは久しぶりかもしれない。
教えてくれたおじいさんに感謝の気持ちでいっぱいになった。
ちなみに、太陽が沈む間、下のカフェからは映画「コロンブス」のテーマソング(栗の大好きなヴァンゲリス作曲)が
流れていた。やや演出しすぎと言う気がしなくもなかったが、その場の雰囲気を盛り上げてくれたことは確かである。
太陽が沈むと、カフェの客達から拍手が沸き起こった。

(海に沈む夕日)
繁華街の中をそのままぶらぶら散歩した。ロバにピスタチをを乗せたおじいさんから、ピスタチオを一袋購入し、
暗くなった空を見ながら、ベンチに座ってピスタチオを食べた。サントリーニ島のピスタチオなのだとか。
とてもおいしくて、あやぴーも貪欲に食べていた。
そろそろ夕飯の時間。ガイドブックに載っていたガーデンレストランに入った。あまりおなかが空いていなかったので
(ピスタチオの食べ過ぎ?!)、小皿を色々とって皆でつまむことにした。注文をし終えると、ウエイターさんが
パンとともに、黒オリーブのペーストを持ってきてくれた。サービスらしい。
頼んだのは四品。あやぴーのリクエストで絶対外せないトマトときゅうりのサラダ、チャズキ(きゅうりのヨーグルト
サラダ)、フライドポテト、サントリーニ島のソーセージ。ワインは地元産の赤ワインを頼んだ。冷やして飲むのだが、
非常においしかった。お店の人も感じが良く、テラスにいるせいか野良猫が寄っていたりしてあやぴーも喜んでいた。
大満足でホテルまで戻る。栗はあやぴーを肩車しながら。その晩、あやぴーがベッドから落ちたため、その次の日からは、
シングルベッドの横に椅子を置くのがお約束となった。。。
今回のギリシャ旅行で一番良かったホテルです!
Villa RENA(ヴィラ・レナ)
http://www.santorini.gr-santorini.com/hotels/villarena/
家族経営のこじんまりとしたホテル。
FIRAの繁華街から10分ほど歩きますが、
そのおかげで静かだし、カルデラが見えない分、
宿泊料が信じられないほど安いです。
プールもあるし、テラスもついているし、
プールサイドでのボリュームのある朝食も
宿泊代に含まれているので、とってもお得!
普段ホテルを切り盛りしている息子さんは
物静かながら、誠実で頼れる存在。
逆に、朝食をサービスしてくれるお母さんは陽気で、
いかにも「マンマ」と言った感じです。
毎年、11月1日から3月31日まで休業。
オープンは4月1日から10月末までとのことです。
昼飯を食べたレストラン
The Flame of the Volcano(Guide du Routardで見つけました! )
旧港へのケーブルカー乗り場を通り過ぎ、
散歩道を進んで行くとほったて小屋風の
テラスがあります。そこがお店。
ケーブルカー乗り場界隈の喧騒を離れて、
静かに食事をしたい方にお勧め。
マルチリンガルのウエイターさんは
残念ながら日本語はあいさつのみですが、とても親切です。
夕飯を食べたレストラン
Poseidon(Guide du Routardで見つけました! )
バスターミナルから中心広場に行く途中にあります。
テラスで食事できるのが心地良く、料理もおいしくて、価格も良心的。
サントリーニ島料理や地元のワインも楽しめます。
私達は毎晩通ってしまいました。お勧めです!
次にすすむ。。。
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