ハニア東部を散歩中に出会った風景
2005年11月5日(土) 晴れ
ハニア(Hania)
夜中に一度目が覚めた。隣の部屋に宿泊しているギリシャ人家族が、大声を出しながら部屋に帰ってきたのだ。
全く、、と憤慨しながら再び眠りにつくと、今度は朝の6時に私の腕時計のアラームが鳴って目を覚ました。
腕時計のアラームはスファキアから出発する時に設定したもので、実際非常に役に立ち、感謝をしながら
全て解除しておいたはずだった。しかし、どうやら一つだけ取り外しを忘れてしまったらしい。トホホ(涙)。
気を取り直して目を閉じるも、お向かいの教会の鐘が多分7時に一度鳴り、その後8時にもう一度鳴り、その後、
建物内で執拗に叫び続ける男の子の声を聞き、完全に目が覚めた。「一体全体親はどういう躾をしてるんだ?!」と
憤慨しながら。。。(苦笑)
時計を見ると8時50分。普段より遅い起床時間のはずなのに疲労感を感じる。こま切れ睡眠のせいに違いない(涙)。
栗もあやぴーも一緒に起きたので、日課の体操はパス。あやぴーのためにパン・オ・ショコラを探しに出かけた。
目をつけていたケーキ屋さんに行ってみたのだが、パン・オ・ショコラが見つからない。店員さんに聞いてみると、
もう少し後になると言われた。
仕方ないので市場に行き、前にもパンを買ったことのあるお店で、クロワッサン・チョコラータ(ショコラータ?=
パン・オ・ショコラ)と、輪っか型のパン「クルーリ」(KOYPOYPI)を1つずつ買った。栗と私の朝食としては、
スファキアで買ったアーモンド入りのビスケットがまだあるのでそれを食べれば良かったのだが、このビスケットは
メチャクチャ甘いので、半分ずつクルーリを栗とシェアしながら、ビスケットと共に食べるのが良いんじゃないかと
思ったのだ。パンは2つで1,6ユーロ。パン・オ・ショコラが1,2ユーロで、クルーリが0,4ユーロだったかな。
何度も言うようだが、クレタ島ではバターやチョコレートと言った外来品は高くつくのだ。。。
お店の人とのやりとりは簡単なギリシャ語で。何でもない小さなやりとりでも楽しくて仕方がない。私はやはり語学が
好きなのだと思った。市場を出る。ひんやりした空気が気持ちいい。帰りはブラブラとウインドーショッピングをしながら
歩いた。まだ10時前だと言うのに開いている店が意外に多く、驚いた。今日も良い天気になりそう。
部屋に戻って朝食。栗とあやぴーはココアを入れ、私はネスカフェでコーヒーを作ることにした。スーヤのスーパーで
買った食材をその後も捨てずに取っておいたのだが、まさかまた役に立つとは思わなかった。
朝の光が差し込む部屋でのんびりと優雅な朝食タイム、、、と思っていたら、スプーンがない!戸棚を探してみたが
どこにもない!私はネスカフェの缶をごそごそ動かしてコーヒーをカップに入れ、何とかインスタントコーヒーを煎れる
ことに成功したが、ココアの方は粉がきめ細かいのでそうはいかない。温めたミルクとちゃんと混ぜたいだろうし。。。
栗は「システムD(フランス人の好きな言葉。いざと言う時に機転を利かせ、代理のもので何とかすること)」だと
言って、いらない紙を折ってココアの粉を取り出し、それをカップの中に入れた。温かいミルクとかき混ぜるのには、
持参していたナイフを使って。ここまでは良い。でも、昨日スーパーで買った羊のミルクから出来ているヨーグルト、
さてこれはどうしよう。さすがに紙で食べる訳には行かないし、ナイフではすくえない。。。少し考えてみたところ、
あやぴーの解熱剤シロップに、プラスチックの計量スプーンがついていることを思い出した。
計量スプーンは小さいものだったが、この際スプーンだったら何でもいい。早速ヨーグルトを食べてみると、味が濃厚で
おいしくて感激だった。クレタ島ではヨーグルトをお料理に使うことも多いせいか、砂糖は入っていないのだが、
それでもおいしく食べられる。栗とあやぴーにも試してみてもらったところ、やはりおいしいと頷いていた。
羊の乳で出来たヨーグルトはニースでも買える。だけど、クレタ島で作られているそれとはやはり全然違うのだと思った。
食事が済むとすぐに食器を洗い、棚の中にしまった。部屋の換気をしながら、今日のスケジュールと明日の朝の出発に
ついて栗と話し合う。宿を出たのは11時頃。今日はハニアの東側に行ってみようと決め、ヴェネツィア時代の倉庫の方に
歩いて行くと、人通りが急に増え、炭焼きの良い匂いが漂い始めた。鼻に頼って道をすすんでいくと、市場が見え始めた。
わ~、市場だ。うれしい~!市場の入口にあるカフェでは、スブラキ(串焼き)の屋台が出ていて、1本買って食べながら
歩く人あり、カフェの席に座ってフラぺ(アイスコーヒー)を飲む人あり、知り合いと立ち話に興じる人達ありと、とってもにぎわっている。
売っているのはニースと同じような野菜だが、値段が違うし、購入量も違う。2~3キロはあると思われるじゃがいもが
一袋0,7ユーロ、オレンジは1キロで0,3ユーロ、トマトやキュウリは1キロ0,5~1ユーロと店によって様々。安い~!
キャベツはフランスのものではなく日本のそれに似ていて、持ち帰りたい気分になった。ゴロゴロとした形のトマトは
いびつながらもとてもおいしそう。大きなラディッシュやビートなんかもある。自家製オリーブや自家製ワインを売る人も
いる。チーズ屋ではチーズの切り売りだけでなく、大きな壷に入ったbrousseのようなフレッシュチーズをおたまですくって量り売りしていた。
市場にはたくさんの人がいて、その誰もが手に野菜や果物の入った大きな買い物袋をいくつもぶら下げて歩いている。
その中を「ネロ~~~、ネロ~~~」と言いながら水を売るおばさんがいた。なんだか懐かしい気分。
南からハニアに戻ってきて驚いたのは、シーズンオフに入ったせいもあるかと思うが、観光客で賑わっていた港付近が
ガラガラになっていたこと。それとは違い、この市場はものすごい活気である。栗も大喜び。「これまで「地元の人達は
一体どこにいるんだろう?どこで買い物しているんだろう?」と思っていたんだけど、ここだったんだね!」と笑顔で言った。
ここは観光客のために作られたよそ行き顔のクレタ島ではない。ハニアで生活を営む人達のための普段着のクレタ島なのだ。
それは正に私がこの地で出会いたいと願っていたもの。ハニアは都会だからと思って諦めていたけれど、最後の最後で
ようやくここでも出会うことができた。
市場を抜けて海の方に出る。ビーチ沿いにはカフェがあり、広いテラス席はお客でいっぱいだった。地元民らしき人達が、
友達なり、恋人なり、家族なりと一緒に、明るい太陽の下、コーヒーやフラペ(アイスコーヒー)を飲んでいる。
あちこちから聞こえてくる笑い声に何となく幸せな気分になった。
少し歩き続けた後、ふとビーチを見下ろすと、一人のご老人が目に入った。水着姿のおじいさん。ひと泳ぎしてきたらしい。
野良猫がおじいさんの足元でじゃれている。おじいさんはしばらく野良猫と遊んだ後、小石を拾って海へ投げた。
その小石は、海面を何度か跳ねてから海の中に落ちていった。青くて静かな海の中へ。なんだか詩的なシーンだった。
「僕もあのおじいさんのようになりたい。年を取っても人生をシンプルに楽しめるような人になりたい。」と栗が言った。
そのセリフに、私も大きく頷いた。
あやぴーがおなか空いたと言い始めたので時計を見ると、もう12時半を過ぎていた。どこで昼食を取ろうかと考え、
南に出発する前に食事をした1821広場にあるタベルナPlatanosへ行くことにした。白いエプロンをつけたおじさんが、
「これ、良かったら味見してよ。」とズッキーニの花にライスや野菜を詰めたものを出してくれた。おいしい!
昨晩ツーリスト向けのレストランで、たくさん揚げ物を食べたせいで、胃が重い私達にはありがたい一品。せっかくなので、
一皿お願いし、あとはいつものようにギリシャ風サラダとジャジキ(きゅうりのヨーグルト風サラダ)をオーダーした。
胃が重いのでランチはこれで十分。飲みものは赤ワインをハーフで頼み、あやぴーにはフレッシュオレンジジュースを
持ってきてもらった。店名にもなっているプラタナスの木の下で、のんびりおしゃべりしながら食事を楽しむ。
あやぴーは食事が済むと広場を駆け回って遊び、栗と私は食後にフラペを飲みながらおしゃべりを続けた。バカンス中は
四六時中顔をつき合わせているというのに、話がつきないのが不思議。。。気が付くともう3時近くになっていた。ビーチに行かないといけないので、あわてて店を後にした。
港を通り、海沿いを歩いて、昨日同様ハニア西部のビーチに行く。途中でものすごくトイレに行きたくなってしまい、
どうしようかと涙目になったのだが、幸いプールがあった。栗が中に入るとギリシャ人に身振り手振りで聞いてくれ、
その結果、プール内のカフェのトイレを使わせてもらえることになった。栗に感謝。そして、カフェの人達に感謝。(涙)
今日は昨日ほどは遠くには行かないことにした。と言うのも、街の近くのビーチの方が、清掃されているのか砂浜も水も
きれいだということに気付いたからである。あやぴーは砂浜を見ると大喜びで、早速水着になって遊び始めた。
栗と私は砂浜に座り、再びおしゃべりを続けた。
ついに決心して水の中に入る。昨日より天気が良いせいか、水が温かく感じられる。ここも遠浅なので心配なく、
のんびりと泳いでから栗と交代した。一方の栗はずいぶん遠くまで泳いで行き、対面にある小さな島に登ると、
こちらを向いて手を振った。栗が泳いでいる間、あやぴーも私と一緒に水の中に入った。二人で陸と海を行ったり来たり
しながらワイワイ遊んだ。三匹の犬が砂浜で遊んでいたのだが、そのうち一匹が私達の後を追って海の中に入ってきた。
あやぴーも私も大興奮、そして大笑い!
段々寒くなってきたので、水から出てシャワーを浴びることにした。その後、すぐにビーチに設置された仮設更衣室で
洋服に着替えた。あやぴーは着替え終わると近くの遊具コーナーへブランコを乗りに行った。そこには既にギリシャ人の
男の子が二人遊んでいた。私は近すぎず遠すぎない場所から様子を見ていて、陸に上がってきた栗があやぴーを迎えに
行った。栗の話によると、ギリシャ人の男の子達はとても感じが良く、少し英語を話し(学校で習っているのだそう。)、
一人がアレクサンドロスという名前で、もう一人は発音不可能な名前だったと教えてくれた。ケケーンとかテケーンとか
そんな名前だったという。(ほんとか?!笑)。犬達は相変わらず三匹で遊んでいた。そのうちものすごい勢いで砂浜に
穴を掘り出したので、栗もあやぴーも私もびっくりした。
最後なので、帰り道は海沿いを歩くことにした。体がすっかり冷えてしまって寒いが、もうこの景色ともお別れ。
港に着くと寂しさを感じた。歩いていくうちに、街の様子がおかしいことに気がついた。店が閉まっているのだ。
お昼寝の時間は終わっているはずなのにおかしい。。。
一旦宿に戻り、水着やビーチタオルを部屋に干してからおみやげを買いに市場へ出かけた。
しかし、市場までの道のりでもお店がみんな閉まっていて、通りには人っ子一人いない。イヤ~~~な予感、的中。
市場は閉まっていた。門が閉ざされていた。大ショック。おみやげも何もまだ買っていないのにどうしよう。。。(涙)
市場の前に小さなスーパーがあったことを思い出し、取りあえず留守の間気をつけてもらっているお隣の家に
OUZO(ウゾ)という食前酒、そして栗の職場にクッキーを購入しておいた。他の通りを歩いてみたが、どの店も
やっぱり閉まっていて、無駄足に終わった。
宿に戻る。私とあやぴーがお風呂に入っている間、栗がオリーブオイルを買えるお店がないかどうか探してきてくれたの
だが、失敗に終わった。ガイドブックを見ると、「土曜日は午後2時で店じまいをするところが多い」という記事を見つけた。
そうだったのか。。。(涙)。今更だが、「旅行中は気に入ったものがあれば、その場で買っておく」という教訓を
すっかり忘れていた自分が腹ただしく思われた。
栗がお風呂に入っている間、一人でHalidon通りにある小さなお店に行く。おじいさんが経営している小さな食材店。
缶に入ったオリーブオイルやマウンテン・ティー用のハーブとラキ(食後酒)を持ってレジに行くと、「うちで作ってる
ラキを飲んでみない?」とおじいさんに誘われた。樽からつがれたラキはとってもおいしくて、市販品よりはるかに安いので、
レジに持っていったラキは棚に戻し、おじいさんのラキを買うことにした。
ほろ酔い気分で宿に戻ると(笑)、あやぴーはテレビを見ていて、栗はまだお風呂に入っていた。7時半になったので、
昨晩予約を入れていたおいたレストランTAMAMに行くも、「予約は8時」と言われ、30分散策する羽目になった。
kondiraki通りではセンスの良いおみやげ屋が開いていて、ナチュラルっぽいオリーブオイル製の石けんを買うことが
できた。友達へのおみやげも買えて良かった~(涙)。また、ここにはAgia Triadaの修道院で作られたオリーブオイルも
置いてあったので購入した。市場より高かったが、空港の売店よりは安かったのでよしとする。まだ時間があったので
港を歩く。ふとのぞいたおみやげ屋さんにスファキアの絵葉書があり購入。意外とあっと言う間に30分が過ぎた。
TAMAMに行くと、今度はOK。席に通してもらうことができた。昔はトルコ風呂だったという場所なので店内が段々に
なっている。上の席と下の席があって、私たちは上の席に案内された。店内は満席。予約もぎっしり。噂には聞いていたけど
やはり人気店のようだ。
メニューの中から、TAMAMサラダ(4,5ユーロ)、フェタ・トマト・ピーマンのグリル(3,5ユーロ)、そして子ヤギ肉の
ロースト(8,5ユーロ)、あやぴー用に野菜スープ(3,2ユーロ)を頼むことにした。ワインリストを見ていた栗、
「地元産のワインがない!」と焦る。ハウスワインにはどれもフランスのぶどうが混ざっていると言うのだ。
ブーブー言いながらも適当に選ぶ。運ばれてきたワインを一口飲んだ栗、今までで一番高くて一番まずいワインだと
怒っていた。
TAMAMサラダも、アボガドのピューレの上にくるみが乗ってたりして、おしゃれにはおしゃれなのだが(市場でもアボガドが
たくさん売られていたし)、クレタ島である必要性はないと思われる。あやぴーはスープがまずいとぐずり始め、
何となく暗い雰囲気になってしまった。おなかが痛いと言うあやぴーをトイレに連れて行くと、スープのせいだというので、
「ママのサラダを交換してあげようか。」と言った。すると、あやぴーは交換条件に頷き、「でも、スープ、本当に
まずいから気をつけてね。」と真剣な顔で私に言うので笑ってしまった。
「昨晩に引き続き、今日も観光客用のレストランに来てしまったかぁ。」とガッカリし始めたところ、あやぴーの
スープを飲んでみたらおいしいではないか!クレッソンの味が濃いので、確かに子供には苦手な味かもしれない。
でも大人には大丈夫。と言うか、すごく好み。初めて食べる子ヤギ肉も、メチャクチャおいしくて感動。くさいかなと
思ってたけど、全然くさくない。付け合せのじゃがいもにもソースが染み込んでいて良いお味。これだけでも、この店に
来た甲斐があると思える一皿だった。フェタ・トマト・ピーマンのグリルは想像していたものとは違っていたが、
素材が良いので許せる。なんだかんだ言って、全てしっかり平らげておなかいっぱい。
スタッフも親切で、キビキビ働いているのが感じ良く、昨晩のお店とは雲泥の差だと思った。
(子ヤギ肉のロースト。右上は付け合せのジャガイモ。美味!)
食事が済むと、セモリナ粉のケーキと食後酒のラキがサービスで運ばれて来た。ケーキにはシナモン、松の実、ハチミツが
入っている模様。あやぴーは一口食べてしかめっ面をした。残りは私が頂くことに。「こんな重いケーキをよく二つも
食べられるね。」と栗が言うので、デザートは胃が別なのだと説明すると、「女性が好きな言い訳だな。」と鼻で笑われた。
その間も、お店にはひっきりなしに客が出入りし、予約のない人は昨晩の私たちのように断られていた。
時間が遅くなるにつれ、ギリシャ語を話すお客の比率が増えてきたようだ。
ラキを飲み終えて店を出る。ハニア最後の夜。寒い夜でさえ、いとおしく感じられる。旅のノスタルジーだろうか。。。
宿に戻ってあやぴーを寝かせた後、栗と二人で荷造りをした。明日は7時半に起きる予定。私は7時に起きて、
あやぴーのためにパン・オ・ショコラを買いにいこうと思っている。起きられるかわからないけど。。。
午後11時就寝。外はまだ大勢の人達が賑わっているようだ。
朝市
後から『Guide du Routard』を読んで知ったのですが、私達が訪れた朝市は毎週土曜日に開催されているものだそう。
場所はハニアの港からヴェネツィア倉庫の方面をずっとまっすぐ行き、
つきあたったら右側に進み、海に沿って東に歩いていく感じ。
楽しいので、ハニアで土曜日を過ごされる方には是非おすすめです!
昼ご飯を食べたお店
Platanosplatea 1821
(市場を北側から出て、odos Tsuouderonを東に進む。
odos Daskaloyanniにぶつかったら左折。
そのまままっすぐ行くと、右手に広場があります。)
家庭的なお料理がリーズナブルに食べれるせいか、
地元の人達がたくさん食事に来てました!
夜ご飯を食べたお店
TAMAM49, odos Zambeliou
(港を背中にして、広場から最初の道を右折。
少し歩くと左側にあります。)
要予約。子ヤギのローストが絶品でした!
(Guide du Routardで見つけました! )
宿泊場所
Vranas Studios(platea Mitropoleos)
odos Halidon沿いにあるカテドラルに向かって
左側(港側)の道を入り、左側にある二本目の通り
Agion Deka通りを左折。すぐ。1階はインターネットカフェに
なっています。立地も良いし、キッチン&バスタブつきなので
生活するように滞在したい人におすすめ。
(Guide du Routardで見つけました! )
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