ビーチからの帰り道
2005年11月3日(木) 雨のち晴れのちくもりのち嵐
スファキア(Sfakia / Chora Sfakion)
7時起床。バスルームに移動して、いつものように体操、ヨガ、顔面体操、フェイスケア。
その後本を読んで過ごした。8時半にあやぴー起床。顔を洗うとすぐに神経衰弱がやりたいと言い始めた。
その15分後に、雷が鳴り、栗もあわてて目を覚ました。窓を開けるとちょうど雨が降り出したところ。
急いでベランダに広げて乾かしていたバスタオルをひっこめた。よく見ると海の方は晴れている。
少し様子を見ようとのんびり過ごすことにした。栗は読書。あやぴーはテレビをつけてイタリアのチャンネルで
日本のアニメを見ながら私とトランプで遊んだ。
9時半に朝食。いつものカフェでいつもの席に着く。意外と寒くはない。あやぴーはパン・オ・ショコラ
(クロワッサン・ショコラータ)、栗と私はクローリという輪っか型のパンを頼む。
配達の車が来たばかりだったようで、パンはまだ温かかった。おいしい。飲み物はいつものように
栗とあやぴーがフレッシュ・オレンジジュースで、私はブラックコーヒー。のんびり食べていると、
段々天気が良くなってきた。せっかくなので今日も散歩に出かけることにし、マダムにまたサンドイッチを
作ってもらった。
一旦ホテルに戻ると、あやぴーはロビーにいた子猫と遊びたがった。(向こうは遊びたくないと思うけど・・。
汗&笑)。ホテルのオーナーが来て、「えさをあげるから見においで。」と言ってくれたので、
テラスまでついていく。オーナーが大きなお皿に猫缶をどさっと入れると、子猫のうちの一匹がものすごい勢いで
食べ始めた。もう一匹は最初あやぴーにおびえて隠れていたのだが、とうとう耐え切れなくなったようで、
お皿に近づくと、ガツガツと夢中でエサを食べ始めた。途中でママ猫がやって来たのだが、
オーナーが追いやってしまい、お皿は再び子猫だけのものとなった。大人猫は後なのかな。。。
部屋に入って身支度をしていると、太陽が戻ってきたのでホッとする。しかし、波はまだ高いようだ。
船での移動が終わったのはラッキーだった。あやぴーは私達が荷物を用意している間、サングラスをかけながら、
楽しそうにテラスでお絵かきをしていた。
11時過ぎにホテルを出て、西に向かって歩き始めた。途中、おととい出会った野良猫親子がいたので、
何か食べものを買ってきてあげれば良かったと後悔した。バッグの中からパンの残りをやると、
ガツガツと食べるではないか。パンを食べるなんて、よっぽどおなかが空いていたんだろうなぁと
かわいそうになった。。。
山羊や羊の群れを見ながら車道を歩く。車道と言っても、車はほとんど通らない。
目に入るのは岩肌の山と青い青い海だけである。何度見てもきれいな場所だとため息をつかずにはいられない。
やっぱり自然は素晴らしい。
一昨日立ち寄ったIligasビーチを通り過ぎ、更に道を進んで行くと、「E4 Sweet Water Beach」と書かれた
看板があった。ここ、ここ!車道を離れ、E4の山道に入っていった。岩肌の山を下るには狭くてジグザグの道を
歩かなければならない。崖っぷちも何ヶ所かあって、手に汗を握りながら慎重に歩いた。その後も、岩と岩の間を
よじ登ったり、下りたりと、なかなか体力を使う道。そして、とうとう道自体がなくなってしまった。
仕方ないので、時々目に入る黄色と黒で記されたE4の目印をたどりながら、適当に岩場を歩くことにした。
あやぴーは大変だろうと心配したが、楽しんでいるようだったのでホッとする。
ビーチに到着したはいいが、まだもう少し、岩をよじ登ったり下りたりを続けなければならなかった。
いい加減嫌になってきたところで、ようやく広い静かなビーチが現れた。ここがSweet Waterビーチなのかなぁと
栗と話していると、砂浜に丸い井戸のようなものが掘られていて、中に水が入っているのが見えた。
水の周りに囲いがしてあって、大きな石にペンキで「No Drink Shower Only」と書かれている。
湧き水の出る浜辺、、、Sweet Waterビーチはどうやらここらしい。
あやぴーは置いてあったジョウロを手に取ると、井戸の中の水を汲み、近くにあった木に水をやり始めた。
ビーチを歩き進んで行くと、また井戸があった。海水の近くで淡水が出るなんて本当に不思議。。。
私達はビーチの真ん中あたりに腰を下ろすことした。あやぴーは山羊がいるのを見ると、早速エサをやり始めた。
ダメだって言っているのに木から葉っぱをちぎっている。山羊達は届く範囲の葉っぱは全て食べ尽くしたようで、
あやぴーの周りはまたたくまに山羊だらけとなった。あやぴー、大喜び。ますます張り切って葉っぱをあげていた。
栗と私はビーチに大の字になった。空がびっくりするほど青い。ここまで歩いてきて良かった。上半身をひねると、ボキッと音がした・・(笑)。
私は水着に着替えて海に入ることにした。冷たいけど気持ちいい!水が透明で海底に石がごろごろしているのがよく見える。
波があったので沖には出ず、ビーチに沿うようにして泳いだ。体が慣れてくると、それほど水が冷たいとは思わなくなった。
むしろちょうど良い感じ。少し泳いでから、水を上がり、湧き水をジョウロに汲んで体を流した。シャワー代わり。
但し、水は冷たかった。。。
そろそろランチにしようと、山羊と遊ぶあやぴーを呼び寄せた。サンドイッチが包んであるアルミホイルを開く。
案の定、山羊が寄ってきて、私達の食べるサンドイッチに興味津々。取られてしまわないように気をつけながら食べた。
全員の食事が終わったところで古いパンを取り出し、山羊達にやった。しかし、あやぴーはパンには興味を示さず、
自分でジャンプして木の葉っぱを取り、それを山羊達にやる方が楽しいようだった。山羊達も喜んでいるのか、
みんなあやぴーの周りに集っていた。
一瞬太陽が隠れ、お天気雨が降ってきた。栗がこの先の道を一人でチェックしに行った。
広いビーチには、あやぴーと私と山羊しかいない。夢を見ているんじゃないかと思うほど、静かで平和な光景だった。
波の音、鳥のさえずり、そよ風、、、山羊達に語りかけるあやぴーの叫び声を聞き、ハッと現実に戻った。。。(笑)
栗が遠くから手を振っている。山道をゆっくり下り、ついでにビーチにあった小さな洞窟を見学してから戻ってきた。
栗の話によると、ビーチを端まで歩いたあと、山道を上っていくと、小さな白い教会があり、更に歩いて行くと、
向こう側にLoutro(ルートロ)の村が見え、振り返るとSfakia(スファキア)の村が見えるという。
とてもきれいだとか。スファキアからルートロまでは6キロ。2時間で行けるとガイドブックに書いてある。
スファキアからここまで1時間だったので、あと半分。行こうと思えば行ける距離だったが、あやぴーがビーチで
楽しそうに遊んでいるので、このままここに留まることにした。
今度は私の番。一人で山の上に登ることにした。栗とあやぴーはビーチでお留守番。 栗に言われたようにビーチの終わりまで
歩いて行くと、山道があった。そこを登って行くと、あっという間に高台に到着。Sweet Waterビーチの全景が見える。
後ろにそびえ立つ岩山の大きさは感動ものだった。
山羊を見ながら白い教会までの道を歩く。ハーブの香りがふわりと漂ってきたので辺りを見ると、オレガノがたくさん
生えていた。クレタ島でしか見られないというオレガノかもしれない。しばらく行くと、向こう側にLoutro(ルートロ)の
小さくて白い村が見えてきた。振り返ってみるとSfakia(スファキア)の端っこが見える。栗の言った通りだ。
いつものように海も空も青くて、とてもきれいだった。
心地良い空気を吸って、美しい景色を堪能してからビーチに戻る。
栗とあやぴーはフランス版「だるまさんが転んだ」をして遊んでいるところだった。
太陽が雲に隠れてしまったので、そろそろ帰途に着くことにした。行きと同じように、岩と岩の間をまたいだり、
上り下りしながら歩いていく。海が真下に見える崖っぷちの道には緊張したが、思いのほかすぐに頂上にたどり着くことが
できた。ここまで来れば一安心。山道を抜けて車道に出たところで、三人揃ってガッツポーズ。よく歩いたね!
スファキアの村に近づくと、虹が出ていた。周りに何もないから良く見える。
神様から頑張った私達へのプレゼントのように思えた。いつものように羊や山羊の集団に遭遇しながら車道を進む。
岩肌の大きな山々、澄んだ空、広い海、誰もいない道、、、この景色とも今日でお別れである。
私達はいよいよ明日スファキアを発つ。
野良猫親子がいたら、またパンをやろうかと少し取っておいてあったのだが、子猫達は寝ていて、母猫は不在だった。
ミ-トソ-ス・スパゲッティの食べ残しがあったので、近所の人がこうやって時々差し入れしているのだろうと安心した。
ホテルの近くのビーチに寄り、また少し泳ぐことにした。お天気雨が降る中、「TOMOに負けられない!」と言って、
栗が颯爽と水の中に入っていった。「うひゃー、冷たい!」と叫んでいるので、私も合流することにした。
今日のお昼に泳いだ時に比べると確かに水は冷たい。だけど泳げないこともない。プカプカ浮かんでいると、
水が温かいところとメチャクチャ冷たいところがあり、その温度差に驚いた。水流の関係だろうか。
「風邪を引くといけないから、僕はもう出るよ。」と栗が陸に上がったので、私も後に続くことにした。
雨が相変わらず降り続け、止む様子がなかったからだ。
ホテルに戻る。あやぴーはテラスに猫の親子を見つけると、走り寄っていった。三人で交代でシャワーを浴びる。
栗はハニアの宿に予約の電話を入れに行くも、返答がなかったとのことで戻ってきた。つ
いでだから、ミネラル・ウォーターを買おうとしたのだけど、それも叶わなかったと言う。
外はものすごい風で、どこのお店も閉まっていたのだとか。ホテルのオーナーに会ったので、
「すごい風ですねぇ。」と話かけたところ、今日の午後、私達のいない間に断水や停電があったことを教えてもらった
らしい。私達はビーチにいて全然気付かなかったけど、嵐が来ているとか!明朝のモーニングコールのセットをお願いした
ところ、「今夜停電になったら、モーニングコールの時間もずれてしまうけど。」と言われたらしい。ひえ~っ!
それを聞いて私は驚いた。時計のアラームがちゃんと機能しますように。。。(汗)
明日のハニア行きのバスは朝7時発なので、先に荷造りをしておくことにした。
栗は朝が弱いので、全て夜のうちにやっておいた方が安心。そんな中、あやぴーがトランプで遊びたいと言い始めた。
私は「後にして!」と怒ったが、優しい栗が荷造り後につきあってあげることになった。その後、ホテル予約のために
栗はまた電話をかけにいったのだが、やはり誰も出ないので、留守番電話にメッセージを残してきたとのこと。
スーパーも相変わらず閉まっていたらしい。でもパン屋は開いていたから、明日の朝食代わりのビスケットを選んで
きたらどうかと言われたので、今度は私が外出した。
ものすごい風!雨も降っていて、まさに嵐!!パン屋まで思いっきり走る。あやぴーも食べられそうなものを選ぼうと
思い(あやぴーはシナモンが苦手なのだが、ここでは良く使われているので)、アーモンド入りのビスケットを買うことに
した。400gで2,8ユーロ。10ユーロ札を出すと、おつりがないから支払いは明日でいいよと言われた。
「いや、明日7時のバスで出るから。」と言ったのだが、パン屋のお兄さんは「僕は5時からお店開けてるから。」と
譲らない。「それなら、明日の5時に改めて買いに来ます。」とビスケットを置こうとすると、「いいから、持ってって。
本当に明日でいいから。気にするな。」とビスケットをつかまされた。申し訳ない気持ちで暴風雨の中ホテルに戻った。
部屋に帰ってきてから、「そうだ、毎日寄っているカフェのマダムに両替を頼めばよかったんだ!」と思いついた。
カフェはタバコ屋も兼ねているので小銭がたくさんあるはずだからだ。嵐の中、またカフェまで走って行った。
マダムに事情を話すと、笑顔で応じてくれた。「明日の朝、出発なんだって。」と聞かれたので、お別れを言って
いなかったことを思い出し、滞在中に親切にしてもらったことについても御礼を述べ、お店を後にした。
また走ってパン屋へ。お兄さんは私がぜいぜいしているのを見て笑っていた。しかも、支払いを終えて
「さようなら」と言った後、ドアが開けられなくて、また焼き場から出てきてもらう羽目になってしまったという。
トホホ。。。(汗&笑)
嵐の中、宿まで走る。ビスケットを早速味見。おいしい~!シナモンはやっぱり入っていたが、クローブの風味と良い
バランスが取れていてそれほど気にならない。アーモンドが丸々とふんだんに入っているのも贅沢。
栗も気に入ってくれて、シナモンが苦手のあやぴーも嫌がらずに食べてくれた。良かった!
夕飯までまだ時間があったので、いつも朝食を食べていたカフェに行き、食前酒を飲むことにした。
栗と私はウーゾを頼む。ウーゾはギリシャ名物のお酒で、水で割ると白く濁る。あやぴーにはフレッシュオレンジ
ジュース。おつまみに出てきたのは何と種!クレタ島の食生活ってやっぱりヘルシーだと思った。栗はひまわりや
かぼちゃの種を見て、とても懐かしがっていた。子供の頃よく食べていたらしい。外はすごい風だが、カフェの中は温かい。
初めて飲むウーゾは、パスティスみたいな味だと思った。(パスティスというのは南仏名物のアニス味のお酒。)
栗は「アニスじゃなくて大麦なのではないか。」と言うが、私には味の違いがわからなかった。
両替の時にもあいさつしたが、またマダムがやってきてくれたのでおしゃべりした。
ギリシャ語で「明日、明後日はハニアで、明々後日にフランスに戻る。」と伝えた。あやぴーが6才であること、
小学校1年生であること、クレタ島に来るために少し学校を休ませたことなども話した。マダムはあやぴーに今日も
キャンディーをたくさんプレゼントしてくれた。いよいよお別れ。私は胸がいっぱいになってしまい、恥ずかしいことに
泣いてしまった。一同しんみりした雰囲気になってしまったため、栗は周りの人に「シグノミ(=Pardon)」と謝ると、
私の頭を叩いた。みんなが笑った。私も笑った。涙を拭きながら。
スファキアでの毎日は本当に楽しいものだった。朝は海沿いのカフェでのんびりと朝食を取り、気の向くままにぶらりと
歩いて出かけ、お昼にサンドイッチを食べて、また歩いて帰ってくる。何の変哲もない一日のようでいて、心身ともに
充実の一日だった。私がクレタ島でやりたかったことはこういうことだったのだ。
出会いたかった人達はこういう人達だったのだ。
一旦ホテルに戻り、あやぴーをトイレに連れて行ってから、改めて夕飯に出かけることにした。正気に戻ったので、
カフェの前を通る時、ちょっと恥ずかしかった・・(笑)。
今夜は一昨日行った「男のレストラン」タベルナ・サマリアへ。一昨日よりお客が入っていて活気がある。
おじいさんが温かく迎えてくれた。一昨日と全く同じものを注文する。ギリシャサラダ、ジャジキ、そして
ズーズーカ二。飲みものは赤ワイン500mlと水。おじいさんに教えてもらったミソクラシ(ハーフのワイン)、
そして昨日違うレストランでマダムに教えてもらったコキノ(赤)と言葉をつなげて、ギリシャ語で注文した。
今日のズーズーカ二は一昨日のそれとは違っていた。丸い形でグリルされたもの。ハーブの香りが良く、
グリルなので軽い味。やっぱりおいしい。でも、今日は若い男性がおらず、おじいさんが一人だったので大変そうだった。
おじいさんはキッチンに入ると、そのまましばらく出てこなかった。
あやぴーは絵を描いておじいさんにプレゼントした。おじいさんはとても喜んでくれた。
ワインを飲みながらゆっくりしていると、おじいさんが「今度は僕から」と言ってあやぴーにパック入りの
フルーツジュースを持ってきてくれた。あやぴー大喜び。トイレに行きたくなったのでホテルに戻ろうとすると、
おじいさんに呼び止められた。デザートがあるという。運ばれてきたものはリンゴだった。でも、ただのリンゴではない。
皮をむいて八つ切りにした上に、ハチミツとシナモンがかかっている。一口食べてみたら、おいしくてびっくりした。
あやぴーもシナモンが苦手なはずなのに夢中で食べている。おじいさんの優しさに感謝。。。(涙)
その後、ラキ(食後酒)をごちそうになった。おじいさんがあやぴーに、「ラキはダメだよ。子供はジュース!」と
言ったので、みんなで笑った。お会計は一昨日同様15,2ユーロ。この値段でこんなにおまけをしてもらえるなんて、
ニースでは絶対にありえない。別れ際、おじいさんが「明日の朝、コーヒーをごちそうするから飲みにおいで。」と
言ってくれた。気持ちはとてもうれしかったが、明朝は出発が早いので会えないような気がする。
またしんみりしてしまった。部屋に戻って、歯を磨いてから、最後の荷造り。
明日の朝、ちゃんと起きれますように。。。
朝ご飯を食べたお店
Cafe Pelagos(海沿いの道)
マダム(デスピナさん)が一人で
切り盛りしている家庭的なカフェ。
素朴なサンドイッチが美味!
お願いするとテイクアウト用にも
準備してくれます。
夜ご飯を食べたお店
Taverna Samaria(海沿いの道)
古ぼけた食堂なので、そういう雰囲気を
楽しめる人におすすめ。ここに来たら、
是非「ズーズーカニ(ソーセージ)」を食べてみて下さい!
サービスのおじいさんはギリシャ語とドイツ語しか
話せないけど、メチャクチャ良い人で感動でした。
子供にも優しいです。
(Guide du Routardで見つけました! )
宿泊場所
ホテル&レストランHotel Xenia
(船着場からまっすぐ海沿いの道。一番奥。)
tel.28-25-09-12-02
fax.28-25-09-14-91
(Guide du Routardで見つけました! )
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