Greece : West Crete

(サマリア渓谷)
2005年10月30日(日)晴れ - サマリア渓谷
6時50分起床。早起きな自分に驚いたが、今日から冬時間が始まったことをすぐに思い出した。
外は相変わらず風が吹いている様子。いつものように体操、ヨガ、顔面体操とフェイスケアを行い、
栗とあやぴーが起きたところで、朝食を取りに昨晩のレストランに向かった。
昨日会ったフランス人の中年夫婦達もちょうど朝食を取っているところだった。
コーヒー、フレッシュ・オレンジジュース、パン、バター、はちみつ、ジャム。
あやぴーは久々のバターに喜び、よくパンを食べていた。
食後、栗がオーナーのところに支払いに行った。宿泊料(2泊分)、昨日の昼と夜の食事、
そして今日の朝食の分。帰って来た栗に値段を聞くと、宿泊代が1泊30ユーロ、
食事代は54ユーロだったという。予想より高かったので驚いた。電話で予約をした時は、
1泊25ユーロと言われていたはず。。。
栗も5ユーロ割増されていることに気付いたそうなのだが、クローズしていたホテルに
泊まらせてもらったので、仕方ないかと思って、何も言わなかったそう。
でも、食事代の54ユーロと言うのはどう考えても納得行かない。
朝食は、スーヤでは(私達は自炊していたけど)、この内容で1人4ユーロとカフェのメニューに
書かれていた。3人分だとして合計12ユーロ。昨日のお昼は、ギリシャ風サラダ、ジャジキ、
目玉焼きにビール1本、コーヒー2杯。他の街だったら10ユーロ前後の値段であるはず。
朝食12ユーロに、ランチ10ユーロで、合計22ユーロ。とすると、昨晩の夕飯は32ユーロだったという
ことになる。食事内容を考えると相当高い。これまでに食事をした他のレストランに比べると、
ぼったくりも良いところである。。。
「支払いは後でいいから。」と言われて、そのままにしていた自分達に腹が立った。
全部ごっちゃになってしまったら、何が何だかわからない。
やはり一回一回しっかり払っておけばよかった。しかし、後悔先立たず。。。
ここの人達が「お金に執着しない人達だ。」などとのん気に構えていた自分達が、いかに甘かったかを
思い知らされた。なんだか、良いカモになってしまったようだ。栗も私も一気に落ち込んだ。。。
しかし、今日はサマリア渓谷へ一日トレッキング。気を取り直して荷物を用意し、ホテルを出た。
と言っても、「こんなところに来なければ良かった。」と言う思いがなかなか拭えず、足取りが重く感じられた。
おまけに、アジア・ルーメリの村からサマリア渓谷に行く道は、日が差さないために暗く、
風がビュービュー吹いていて物悲しい雰囲気。誰一人口を開くことなく、ただもくもくと歩を進めた。
渓谷の入口で入場料を1人5ユーロ支払い、中に入る。あやぴーは無料だった。
そびえたつ岩肌の山々、清らかな川を見て、すこし心が和んだ。
1キロほど歩くと、SIDEROPORTES(鉄の扉)と名付けられたスポットに到着。
岩と岩の間が非常に狭くて(2,5m)、川を挟む両側の岩山の高さは300mもある。
オスマントルコ軍も打ち破れなかったという伝説の場所らしい。
栗とあやぴーが間に入り、手をつないで両手を広げた。両側の岩に手が届きそうな感じだった。
せっかくなので記念撮影。ちょっと元気になった。
川沿いの道をひたすら上っていく。時折、木で作られた小さな橋を渡って対岸に行ったり、
また戻ってきたりした。なんとなくでも歩くコースがわかるのはありがたい。
途中、チリンチリンという音がしたので振り向くと、山の上に山羊がいた。こんなところにまで山羊がいることに
驚きながら、のんびり歩き続けた。山と山の間は暗く、風が吹くと寒かった。
大きな山に囲まれていると、自分達がいかに小さな存在であることに気付かされた。
見飽きることのない景色が次々と続く。何重にもひだができている岩肌。
縞模様になっていたり、白く光っているところもあった。
対岸に渡る際に、あやぴーが片足を川に突っ込み、靴をぬらすというハプニングがあった。
栗があわててあやぴーの腕をつかみ、結局、肩車をして渡ることになった。
その後も少し険しい道が続いたので、そのまま栗が肩車をして歩いた。
すると、山と山の間が全て川になっているという恐ろしい場所にぶつかった。
簡単な橋が設置されていたが、取ってつけたような頼りなさ。
おそるおそる歩いてみたら、少しだけど重力で橋が沈む。恐いよ~。川の水はものすごい勢いで流れているし、
深さもある。手に汗を握りながら、勇気を出して歩き続けた。すると、突然橋が見えなくなった。
水が多すぎるのだ。どうしよう。これ以上進めない。。。(汗)
「水があって、先には行けないよ!」とあわてて栗に言うと、
「靴と靴下を脱いで歩け。方法はそれしかない。」という声が背後から聞こえた。
「ええ~っ!こんなゆらゆらした橋の上で靴を脱ぐの?!」と思ったが、もう後戻りすることはできないし、
前に進みたかったら確かにそうするしかないのかもしれない。
あまり深く考えず、靴と靴下を脱いで、急いで橋を渡った。栗も、あやぴーを肩車しながら、
重いリュックを背中に背負いながら、腰をかがめて靴と靴下を脱ぎ、何とか橋を渡り終えた。
あやぴーは相当不安だったようで、涙目になっていた。気持ちはわかる。。。
ようやく橋が終わったところで、足を乾かし、靴下と靴を履きながら休憩。
栗が背中の筋をおかしくした気がするというので、私がもみほぐしてあげた。栗は首も肩もパンパン。
毎日、何かしら重い荷物を背負っている栗。それは、バックパックだったり、食べ物やミネラル・ウォーターが
入ったリュックサックだったり、あやぴーだったり。家長は大変。お疲れ様です。。。
一同、気分を入れ替えて再出発。歩く、歩く、ひたすら歩く。
野生のオレガノがあちこちに茂り、とても良い香りがした。松林が見えてくると、
今度は松の匂いが一面を覆った。耳に聞こえてくるのは水の流れる音だけ。
自然の恵みをおすそ分けしてもらっている、そんな気がした。
しばらく行くと、川の水が全く見えなくなった。地面下を流れているのだろう。
本来、少しは水が流れると思われる場所も、カラッカラに干からびていていた。その上を歩いて行く。
小石の上なのでなかなか疲れるが、こんな雄大な渓谷を歩くのは滅多にない経験。ワクワクした。
あやぴーはノートとペンを手に持ち、休憩ごとにお絵かき。
「花を取ってはいけない。」、「水を触ってはいけない。」という風に、散策の上での注意事項を
絵にしているのが微笑ましく思われた。また、1キロごとに設置されている標識の数字を読むのも
楽しみにしながら、頑張って歩いていた。
2時間位歩いたところで「おなかが空いた。」とあやぴーがぐずり始めた。
11時半だったので、「まだお昼の時間じゃないよ。」と言ったのだが、悲しそうな顔をしているので、
チョコレートを1かけあげることにした。栗と私にも1つずつ。「どうしてチョコがあるの?!」と栗は驚いていた。
板チョコの残りをこっそりポケットにしのばせておいて正解だった。
あやぴーも栗も私も、チョコレートのおかげでまた元気が湧いてきた。
しかし、チョコ1かけのバッテリーはあまり長続きせず、あやぴーはまたお腹が空いたと涙声で訴えてきた。
栗が、「ピクニックをする場所は「6」という標識の前にある。僕達はずいぶん前に「4」の標識を通ったから、
次の「5」を通ればすぐ「6」なんだよ。」と説明し、あやぴーを励ましながら歩き続けた。
まもなく、「5」の標識が現れ、水飲み場で水を飲みながら、「あともう少し!」とお互いを励ましあった。
あと700mの予定なのだが、本当だろうか、、と思いながら歩いていると、道が石畳になり、オリーブ畑が
目の前に広がった。人の香りがする!
「もしかして?もしかして?」と道を急ぐと、右側に廃虚が現れた。やったー!
目的地のサマリア・ビレッジに到着した!やったー!!!
でも、対岸に渡る道がない・・・(汗)。もしかしたら、廃虚は遠くから眺めるだけのものなのかも、、と
思いながら前に進んで行くと、「Samarian Village」と書かれた看板があり、
対岸に渡れるようになっていた。しかも、木で出来たテーブルセットがあちこちに置かれている。
サマリア渓谷国立公園の職員と思われる男性が三人、テーブルについておしゃべりをしていた。
「ヤーサス。」とあいさつをすると、みんな笑顔を返してくれた。
あっ、山羊がいる!・・・と思ったら、普通の山羊ではなかった。
クレタ島、しかもサマリア渓谷周辺に40頭ほどしか残っていないという保護動物Kri-Kri(クリクリ)という
クレタ山羊だった!野生なので当然鈴はついていない。10匹ほどそこら辺で草を食べていた。
近づくと逃げて行くのだが、人をすごく恐れているという感じでもない。保護されているからだろうか。
風が当たらないテーブルに陣取り、栗がリュックサックからミネラル・ウォーターを取り出して、
まず水を飲んだ。その後、栗がパンをチーズを出し、サンドイッチを作ってくれた。
3時間ちょっととは言え、よく頑張った自分たちが誇らしく、シンプルなサンドイッチがとてもおいしく感じられた。
クリクリが近くに来たので、固くなったパンの端っこの部分を隣のベンチの上にそーっと置いてやった。
すると、静かに近寄ってきて、パンをボリボリかじっていた。
か~わいい!あやぴーはサンドイッチを食べ終わると枯葉を集め、クリクリにあげていた。
のんびり休憩。栗は暖かい日差しの下でお昼ねを始めた。
職員の人に「どこから来たの?」と言われたので、日本人だと答えると、
「ギリシャ語を話せるか?」と言うので、私がギリシャ語で知っている数少ないフレーズの一つ、
「ゼン・カタラヴェノ・エリニカ。(私はギリシャ語を話せません。)」を披露すると(笑)、
「ウソウソ、ちゃんと話しているじゃないか。」と言って笑われた。
サイン帳に一言書いてほしいと言われたので、メッセージを残すことにした。
実は、そうそうのんびりはしていられなかったりする。帰りの道が待っているのだ。
栗と交代でトイレに行った後、道を引き返すことにした。
上りと下りとでは目に入る景色が与える印象が全然違う。道がわかっているからか、下りだからか、
行きよりスムーズに思えた。時々人の姿が見える。
サマリア渓谷は上からスタートして渓谷を下りて行くのが一般的なコース。
行きは上りだったので誰にも会わなかったが、帰りは下りなので上から来る人達に出会うというわけだ。
あやぴーは元気いっぱいで、「休もうか?」と言っても、休もうとせずにひたすら歩いていた。
途中で、職員の人たちに抜かされた。みんなさすがに歩くのが速い。
馬の背中に看板を乗せているところを見ると、店じまいの様子。
そう、サマリア国立公園は今日10月31日を持って冬の間一旦クローズするのだ。
そうこうしているうちに、行きに靴を脱いで渡らなければならなかった橋が見えてきた。
しかし、午後になったせいか、川の水量がガクンと減った模様。
朝は完璧に水の中に埋もれていた部分も、既に乾き始めているところだった。
「帰りは写真を撮ろうね!」と張り切っていたので、ちょっと拍子抜け。
でも、あやぴーが恐がるので、帰りも栗が肩車をして渡った。
橋を渡った後は、あやぴーが私の手を取ったので、女子チームと男子チームに分かれて歩いた。
あやぴーと二人、最初は歩きながら日本語の童謡を歌っていたのだが、
ふとあやぴーは即興の歌を作り始めた。
「あや、ママが大好き~~~。ママは誰が好き~~~?」というもの。
「なんじゃ、この歌は?!」と思ったが(笑)、せっかくなので、同じような調べで、
「ママはあやが好き~~~。あやは食べもので何が好き~~~?」とお返しすると、
「あやはチョコレートとパンとギリシャサラダとグリーンサラダが好き~~~。ママは何が好き~~~?」と
いう答えで、好きな色、好きな動物、好きな花など、歌いながらの質疑応答が長いこと続いた。
そうこうしているうちに、サマリア渓谷の出口に到着。帰りはあっという間だった。
窓口で係の人が笑顔で迎えてくれた。よく見ると、サマリア・ビレッジにいたおじさんだった。
途中で私達を抜かして行った人である。おおっ!
アジア・ルーメリの村まで、相変わらず物悲しい道を歩く。
栗と私は素晴らしい夢の世界から現実に引き戻されたような気分だった。
あやぴーはあちこちに放し飼いにされた羊に大喜びだったが。。。
午後4時45分、部屋に到着。栗がバタンとベッドに倒れた。
私はあやぴーに「神経衰弱がしたい!」とせがまれて、一緒に遊ぶはめになった。
二人でやるのもなんなので、私とあやぴー、そしてあやぴーの親友「ブタブタ(ブタのぬいぐるみ)」の
三人(?)で勝負。1回目はあやぴーが勝ち、2回目は私、3回目はあやぴーとブタブタの引き分けだった。
交代でシャワーを浴びた後、栗は読書。私は日記を書き、あやぴーは平仮名とカタカナの勉強をした。
あやぴーが勉強をするのはバカンス中初めて!(笑)。あやぴーは私の日記が気になるらしく、
「早く漢字が書けるようになりたい。」としきりに言っていた。うれしく思った。
7時半に夕飯に出かけようとホテルの玄関を出ると、ホテルの周りに金網が張り巡らされていたので
驚いた。何とか出口を見つけて、外に出る。村のレストランはどこもクローズ。
昨日まで食事をしていたTARAでさえも、「今日はよそで食べてね。」とのこと。

(既にクローズ状態のホテル。金網は放牧の羊対策だとか。
こうしないと、草木が食べられたり、荒らされたりするのだそう。)
ホテル(HOTEL CALYPSO)のすぐ隣にあるレストランFARAGIに入る。
村の中ではもうここ一軒しか開いていない。「ギリシャサラダとジャジキとピザしか作れないけど。」と
言われたが、それで十分なので、中のテラス席に座る。ドイツ人の若い女の子が二人いた。
サマリア渓谷で出会った子達である。一人はシュテフィ・グラフ似の金髪の長身、もう一人は
茶色の髪の毛で緑の目をした可愛いタイプ。みんなでワイワイおしゃべりしていると、お店の人から
早く席につくようにと叱られた。彼らも早く食事がしたいらしい。。。(笑)
ギリシャサラダとジャジキを1つずつ頼む。ビールの(小)を頼んだが、出てきたのは(大)だった。
でも、この村はそういうところだとわかったので、もう驚くこともない。
あやぴーには小さいミネラル・ウォーターのボトルを頼んだ。残り物で作っているギリシャサラダには
キャベツが入っていて驚いたが、生キャベツの千切りを食べるのは久しぶりだったので、
栗とあやぴーには不評だったが、私はうれしかった。
ドイツ人の女の子達はラキ(グラッパのような食後酒)を1瓶分あけて、完璧にできあがっている。
お店の男性達、大喜び。彼女達にラキを注ぐついでにお客全員にラキを注いで回り、続いて、
グリルされた海老の乗ったお皿がお店からのプレゼントとして振舞われた。
我が家は栗もあやぴーも海老を食べないので、私一人で頂くことになった。
二人には申し訳ないけどラッキー。(笑)
風が強くて意外と寒い。ビール、大ジョッキが来て正解だったかも。栗とあやぴーは食後にお絵かき。
二人で爆笑していた。私はドイツ人の女の子二人組と、彼女達を取り巻く周りの男性達の人間模様に
興味津々。というのも、お店の男性陣だけでなく、彼女達の横にはドイツ人男性二人組が座っていたからだ。
ドイツ人の女の子達はバックパックを横に置いていたので、まだ宿を取っていないのかもしれない。
あるいは野宿なのかも。しかし、彼女達のおかげで、「ヤマス」というのが「乾杯」という意味だということを
学んだ。というのも、彼女達は飲む前に「ヤマス!」と言いながら杯を上げて微笑むので、
律儀な私はその度に「ヤマス!」と答えていたからだ。ドイツ人の女の子達は、その後店内にいた人全員に
名前を聞き、その度に「ヤマス」を繰り返してラキを飲んでいた。相当な量飲んでいたのではないだろうか。
お店の人がまたラキを注ぎにやってきた。そしてドイツ人の女の子達の前には新しいびんがもう一つ。。。
女の子達はしばらくすると二手に分かれた。シュテフィ・グラフはドイツ人男性のテーブルに移動し
(自分達のテーブルを持ち上げて隣に運びながら。笑)、もう一人の茶髪+緑の目の可愛い子は
お店の人のテーブルへ。明日はクレタ島南西部をつなぐ船の最終運行日。店のスタッフ達も、
食事をしながらクローズの準備をしていた。今夜はシーズン終了を祝う夜でもあるらしく、レストランの外には、
爆竹や猟銃を鳴らす男性が集っていた。暗くて廃れた(それでいて値段はメチャクチャ高い)
アジア・ルーメリの最後の夜は、ドイツ人の女の子達の若さと華やかさのおかげで楽しくふけていった。
気になるお会計は13ユーロ。やっぱり高い気がするけど(ハニアでは2ユーロ以下のジャジキがここでは
3ユーロ!)、グリル海老(6匹)のサービスとラキ飲み放題があったことを考えると、最後の晩餐は
ここで良かったと思った。(・・というか、どっちみちここしか開いていなかったんだけど。。。笑)。
部屋に戻ってから、神経衰弱をして就寝。いよいよ明日はこの村とオサラバ。うれしい~!!!
ホテル&レストラン
TARA / KALYPSO
(
Guide du Routardで見つけました! )
tel 28-25-09-12-31
私たちが宿泊したのはKALYPSOの方。
明るくてなかなか良いお部屋でした。
食事はTARAで。
注)アジア・ルーメリは他の村に比べて物価が高いです。
覚悟して行きましょう。
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