美食記

美食記

CHANTECLER

Hôtel Negresco

37, Promenades des Anglais 06000 Nice
Tel 04 93 16 64 00
Fax 04 93 88 35 68
月曜日と火曜日定休(祝祭日には営業)
http://www.hotel-negresco-nice.com/

ニースで一番有名と言っても過言ではないホテル。
砂糖菓子のお城のようなピンクの屋根が目印。
マセナ広場から海岸沿いを歩いていくと10~15分ほどで着くと思います。
バスで行きたい方は、ギャラリーラファイエットとSociété Générale銀行の間にある
バス停から、3、7、9、10、22番などに乗って「Rivoli」下車。
進行方向に歩いて最初の道を左折。映画館の前を通って海に向かっていくと、
ホテルが右側に見えてくると思います。



"CHANTECLER" (シャントクレール)
2008年5月31日 ニース



11日遅れになってしまったけど、13回目の結婚記念日のお祝いに「シャントクレール」へ行ってきた。
ここはニースで一番有名なホテル ネグレスコのメインダイニングなのだが、ドミニック・ルスタン氏が
総料理長の座を降りてからは評判が下降気味で、これまで一度も行ってみようと思ったことがなかった。
シェフがコロコロ入れ替わり、ついにミシュランの星も2つから1つに降格してしまった。
もう終わった場所、、、そんなイメージを持っていた。

ところが、先日ここで食事をしてきた友達夫婦がメチャクチャ感激して帰って来た。
アミューズからデザートまで全てに満足した上に、サービスも感じが良く、ワインリストも充実していて、
おまけに良心的な値段だと言う。一年前にMOF (Meilleur Ouvrier de France=国家最優秀職人)の称号を
獲得したシェフがやってきてから、かなり変わったらしい。「お昼のメニューは信じられない安さだから、
是非一度食べに行ってみて!」と言われ、今年の結婚記念日ランチはここに決まったのだった。

ホテル ネグレスコの中に入ると、赤と青のキッチュなユニフォームを着たホテルマンに声をかけられ、
レストランまで案内してもらった。あやぴーが生まれる前の話だけど、私は会議に来たことがあって、
ホールのステンドグラスやシャンデリアが浮世離れした美しさだったことを覚えている。
是非これをあやぴーにも見せてあげたかったので、願いが叶ってうれしかった。

レストランの入口でホテルマンとメートル・ド・テル(レストランの給仕係長)が交代。
その先はメートル・ド・テルの男性の案内で席についた。あやぴーが座ったのを見て、
「お嬢様の椅子を変えますね。」と言うので、「お子様椅子があるんですか?」と驚いて聞くと、
「いえ、そうではないんですよ。色々な体格の方がいらっしゃいますから、お客様が窮屈な思いをされないために、
大柄な方には大きな椅子を、小柄な方には小さな椅子を配置しております。」と彼は答え、
あやぴーに小さめの椅子を持ってきてくれた。(その後、恰幅の良いご夫婦が入ってきたのだが、メートル・ド・テルと
サービス係の男の子がお客にわからないようにサッと大きめの椅子に変えていたところを目にした。
なるほどぉ~と感心してしまった。どの椅子も形や色が同じなので、一見にはサイズのことはわからない。
こういう気遣いっていいなぁ。。。)

食前酒はもらわず、炭酸入りのミネラル・ウォーターをお願いし、渡されたメニューを読んだ。うれしいことに
あやぴーにもメニューをくださった。ちょこっとのぞくと、あやぴーのメニューも値段が載っていないものだった
ので(高級店では男性には値段がついているメニュー、女性には値段がついていないメニューを渡す)、
おちびさんでもレディー扱いなんだな~と微笑ましい感じがした。
メニューの左側にレストランの内装や調度品の話が書かれているのも興味深い。

さて、何にする?コースが三種類にアラカルトとチョイスが多いので栗は悩んでいたが、私は友達に薦められた
お昼のコース(Menu "Plaisir" 45ユーロ。10ユーロ追加するとワインとコーヒーが付く。)に決め、
結局、栗もそうすることになった。あやぴーには単品料理。本人の希望で、ベジタリアンコーナーに書かれていた
「野菜のニョッキ」に決定。

「本日最初のワインです。」と言って、女性のソムリエさんが白ワインを注ぎに来てくれた。
Domaine de la Baume 2006。
ラングドック・ルシヨン地方(さらに詳しく言うとPezenas(ペゼナ)という村)で作られているそうだ。
100%ソーヴィヨンの白ワイン。キリリとした味ながらフルーティーでおいしい♪

テーブルに運ばれてきたバターは、丸い形をしていて、真ん中に「N」と言う版が押されていた。
ネグレスコの「N」である。パンは、ミニバゲット、オリーブ、ローズマリーにシリアルの四種類。
私はミニバゲットとオリーブのパンを頂いた。オリーブのパンは、オリーブの実ではなく、中にタプナード
(オリーブのペースト)が入っていた。面白い。

アミューズが運ばれてきた。わ~、きれい!
「La terrine de queue de boeuf au foie grasでございます。」とサービス係の男の子が説明してくれた。
牛肉の尻尾の部分とフォアグラのテリーヌだって。ほほぉ。おいしそうだし、盛り付けも可愛い。
「さぁ写真を!」と思ってこっそりデジカメを出したらバッテリー切れだった。
充電したばかりの予備の電池を探すも見つからない。・・・家に置いてきちゃった~!!!(涙)

栗、大爆笑。
「アホだなぁ。パパラッチだって出かける前には必ずバッテリーをチェックするんだぜ。」と言われた。
パパラッチを例に出されたことに腹が立ったが、それ以上に写真が撮れないことにショックを受け、呆然としてしまった。
あやぴーも気を遣って、「ママはいつもかっこつけて写真撮ってるけど、かっこよくなくたっていいんだよ。」と
慰めてくれたのだが、そこに栗のツッコミが入った。「あやぴー、レストランで写真を撮るのはかっこいいことじゃ
ないんだよ。」・・・仰る通りです。私からもあやぴーに、「ママは楽しみにしてくれている人がいるから写真を撮るけど、
パパの言うように、食事中にカメラを出すのはエレガントじゃないのよ。」と説明した。「ま、いいじゃないか。今日は
自分のために食事を楽しみなさいってことだよ。」と栗が言い、私も頷いた。そうだね。こういう日があってもいいよね。
写真が撮れない分、しっかりお料理を見て、味わって、忘れないようにしなくっちゃ!

気を取り直して、料理に向かう。左側には小さくて丸いマーシュの緑の葉っぱが三枚「さんずい」のように
三つ置かれていて、まん中に主役のテリーヌ。丸い形をしていて、まん中にはフォアグラ、その周りを牛肉が固めている。
そして、右下にはバルザミコ酢が数滴、点、点、点と水玉のように垂らされていた。これがティアドロップの形をした
白い小皿に入っている。乙女心をくすぐる可愛らしさにしびれた。「おいしい~!」と言う栗とあやぴーに続き、
私もテリーヌを口にしてみた。おおお~っ!牛肉の味がいい。フォアグラもおいしい。ちょっと、ちょっと、これは
先が楽しみですよ~!

次は前菜。栗も私も野菜のカネロ二。あやぴーの野菜のニョッキも一緒に運ばれてきた。
わ~!!!どのお皿も盛り付けがきれいで、色が明るくて、とっても素敵!
中央にはグリルされたナスが皮をなしているカネロ二が二つ置かれていて、その周りを三色のピーマンのマリネが
舞っている。そこにルッコラなどサラダ菜も参加。お皿の脇には種をのぞいたオリーブが並べて置かれていて、
なんだか現代アートの絵みたい!ソースはオリーブオイルとバルザミコ酢のヴィネグレットソースと、
こちらは飾り用だけかもしれないけど、オレンジとバルザミコ酢のソースもお皿の脇に添えられていた。

とってもおいしかった♪
カネロ二の中味はリコッタチーズにハーブを混ぜたもので(多分)、軽くてあっさりしているのがうれしいし、
ナスとの相性も抜群。ピーマンのマリネも、グリーンサラダも、新鮮で、色鮮やかで、初夏を感じさせてくれた。
「そう、ここはニースなんだもん。歴史の重みがあるレストランだって、こういうお料理がいいよね!」と、
明るい気分になった。

あやぴーの野菜のニョッキも、丁寧にきれいに盛り付けられていた。
ニョッキは白と紫と二種類あって、色の違いはジャガイモの種類が異なるからなのだと説明があった。ほほぉ。
ニョッキを取り巻く野菜も、ふんだんに贅沢に使われていて、手間暇かかっている感じ。
あやぴーに「どう?」と聞くと、「おいしいよー。」と笑顔が返って来た。
野菜好きの彼女にぴったりだったみたい。良かった、良かった。

店内はヴェルサイユ宮殿風の内装なのだが、お昼だし、この日はお客の半分ぐらいが地元の常連っぽいご老人、
残りの半分が観光客という感じで、堅苦しくない雰囲気だった。ここのところ、ニースはずっと雨続きの
不安定なお天気だったのだが、この日は珍しく青空が見え、大きな窓ガラスから店内に差し込む光りが、
優しい明るさを作っていた。音楽がちょっと不思議で、マイケル・ジャクソンとか古いスタンダードなどを
クラシック風に楽器演奏したものが延々と流れていた。ちょっとイージーリスニングっぽいような。。。
栗は大好きなヴァンゲリスの曲がかかったので、「趣味が良い!」と大喜びだった。(笑)

私はメインにお肉を頼んだので、二番目の赤ワインを注ぎに女性のソムリエさんが来てくれた。
Château Lafont Perrotte 2003。メルローが主体。まだ寝かせられるワインなんですが、、、という説明に
栗も興味を示し、彼はお魚を頼んでいたけど赤ワイン一口もらうことになった。二人で試飲。まろやかな香りに期待を
弾ませる。う~ん、おいしい。濃厚なんだけどフルーティーでもあって、とっても好みの味だった。

私が頼んだメインはfoie de veau。仔牛のレバーである。盛り付けがクラシカルな感じだったので、中央に呈された
レバーが光る。「そうだ!」と思いついて、あやぴーに絵を描いてもらった。あやぴーは既にニョッキを食べ終え、
お絵かきしていたところだったので、「いいよ!」と言ってすぐ引き受けてくれた。


(左はマーシュの葉っぱ。黒い点はバルザミコ酢。
オレンジのはジャガイモのソテー。
四角いレバーが三切れあって、一番右側はほうれん草のソテー。)


レバーの焼き加減はロゼでとお願いしたが、とっても繊細な味で、絶妙な焼き加減で、参りましたと言いたくなった。
量が多かったので、途中で飽きるかなと心配したけど、付け合せのジャガイモがカリカリにソテーしてあるので、
良いコントラストになったし、ほうれん草のソテーもホッとする味で無事完食。とってもうれしかった。良い素材を
使って丁寧に調理する、そんな基本姿勢が感じられたから。。。

栗が頼んだ魚料理もとっても綺麗で、おいしそうだった。メバルのフィレ、ブイヤベースのスープをエミュルション(乳化)
させたソースに、付け合せがニースの丸いズッキーニ。ズッキーニの中がくりぬいてあって、中に色々違う野菜が
入っていたのが可愛いかった。魚を一口もらったところ、メバルの味が素晴らしく、ブイヤベースのソースも抜群で、
「すごいね~!」と驚いた。

お腹いっぱいだけど、デザートは別。あやぴーにはシンプルなアイスもあると言うので、バニラとチョコレートの
アイスをお願いすることにした。まもなくすると、三人分のデザートと、mignardise(ミニャルディーズ=小菓子)が
乗った銀食器が運ばれてきた。ムフフ。

栗はフロマージュブロンを頼んだので、付け合せのベリーの赤とフロマージュの白と華やかな感じ。
一方、私はコーヒーのアイスパフェを頼んだので、茶色いお皿。またもやあやぴーに頼んで絵を描いてもらったが、
自分のアイスが気になるようで、サッと適当にしか描いてくれなかった。。。(涙)





左側がチョコレートにくるまれたパフェ。チョコレートの壁を割ると、一番下がコーヒーのアイス、まん中が
マスカルポーネのムース、そして一番上が生クリームと三層になっているのだが、これがメチャクチャおいしくて、
お代わりしたくなるほどだった。右側はバニラアイスクリーム。チョコレートと砕いたピスタチオが敷かれていて、
細いチョコレートスティックが差してある。もちろん質の良いブラックチョコレートで、侮れない味。
幸せ~♪

小菓子は二段のトレーに8つ入っていた。上の段はピンクのマカロンにピンクのマシュマロ、そしてフルーツゼリー
(と言っても、砂糖をまぶしてあるグミみたいなもの)に、ピスタチオクリームとフランボワーズを乗せたバタークッキー。
下の段にはフィナンシェ、チュイール(瓦型の薄焼きクッキー)、バタークッキーに、ピスタチオクリームとフランボワーズを
トッピングしたチョコレート。そう、8個どれも異なるものだった。あやぴーがチョコレートに手を伸ばしたので、
私は気になっていたマシュマロをもらった。ピンクなのは苺だった。おいしい~♪

食後のエスプレッソを飲みながら、ゆっくりお菓子を食べた。結局、あやぴーはチョコレートしか食べなかったので、
私がフルーツゼリー(マンゴーだった。激うま♪)や、マカロン(こちらはローズかな。まぁまぁ。)、バタークッキー
などを頂いた。

あやぴーを連れてトイレへ。一旦レストランを出て、回廊を歩いた先にホテルのトイレがある。ここも実はあやぴーに
是非とも見せてあげたかった場所。世界に一つしかないと言っても過言ではないほど強烈にキッチュな飾りつけなのだ。
あやぴーはマネキン人形の頭が配された入口のドアに驚いたが、目が慣れると面白いと言って喜んでくれた。
男子トイレのデコレーションはナポレオンスタイル。中に誰もいないことを確認し、外からちょっとのぞかせてもらった。

満席だった店内から少しずつ人が減り始めた。私達もお会計をして店を出ることにした。
入口のところにメートル・ド・テルの男性が二人かたまっていたので、「失礼ですが、どなたが私の友達の友達で
いらっしゃるのですか?」と話しかけてみた。もちろん、友達の名前や特徴を出して。すると、その中の一人が、
「ご友人のお友達と言うのは僕達ではなくて、このレストランのディレクターだと思います。」と言うので驚いた。
あら、そうだったんだ。。。

私達が友達夫婦の紹介で来たこと、友達夫婦が絶賛していた通り、とても素敵なランチだったことを話すと、
「今日はシェフはいなくて、セカンドシェフだけなんですが、キッチンにご案内しましょうか?」と言ってくれたので、
ずうずうしいかなぁと思いつつ、お邪魔することにした。だって、なかなか見れない場所だし!(笑)

セカンドシェフは大柄ですらっとした感じの男性だった。今日のランチの御礼を言い、生意気ながらも、
「良い素材を使って丁寧に料理をする」と言う心があちこちに感じられ、とても素晴らしかったと感想を述べさせてもらった。
セカンドシェフは謙虚な感じの話し方で、受け答えのあちこちに料理への愛情が感じられ、好感が持てる人だった。
広いキッチンにはその他にも大勢の料理人がいて、私達と目が合うと、みんな笑顔で挨拶してくれるのがうれしかった。

キッチンを出た後、「せっかくの機会だから。」とおばさん根性丸出しの私が栗とあやぴーを引き連れ、開店木馬の飾りが
面白いもう一つのレストラン「ロトンド」を見学したり、廊下を歩いたりして見学を楽しんだ。再びシャントクレールの
前でメートル・ド・テルの人と会ったので、素晴らしいランチはお料理だけでなく、サービスのスタッフのおかげも
大きいと御礼を言ったらとても喜んでくれた。そこに女性のソムリエさんもやってきて、すっかり井戸端会議のように
なってしまった。(笑)

みんなに御礼を言って、出口に向かう。ホールはやっぱり素晴らしくて、もう少しゆっくりしていたい気もしたが、
「また来ればいいじゃないか。」と言う栗に促されて外に出た。久しぶりの青空がまぶしく、今年もまたこうして
結婚記念日がお祝いできたことを幸せに思った。

ニースで一度だけ美食店に行きたい、あまり予算を出せないけどちゃんとしたフランス料理を食べてみたいと言う方が
いらしたら、私は迷わずここシャントクレールのランチコースをオススメする。丁寧に作られたフランス料理、
プロだけど堅苦しくないフレンドリーなサービス、良心的な値段設定、どれをとっても満足が行くと思う。
それプラス、ニースの歴史を感じるホテル ネグレスコの建物&内装を見学できるおまけつき。
その際は忘れずにトイレに行ってみて下さいね♪(笑)



美食をテーマにしたコートダジュール旅行には・・

●The Michelin Guide France 2008 (フランス レストランガイド)
●Michelin Cote D´Azur Green Guide (コートダジュール 観光&レストラン)



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