La Bastide Saint Antoine
(ラ・バスチードゥ・サン・タントワーヌ) Jacques CHIBOIS
(ジャック・シボワ)
48, Avenue Henri Dunant
06130 Grasse
tel.04.93.70.94.94
http://www.jacques-chibois.com
ニースから高速でCannes (カンヌ)まで行き、Cannes で高速を降りたあと、Grasse行きの半高速に乗る。Mougins, Mouans-Sartouxを通り過ぎ、Grasseで半高速を降りる。最初のロータリーを確か右側。
「La Bastide Saint Antoine」という小さな看板が出ているので、それに沿って進む。
小さな道を道なりにずんずん進んで行くとAvenue Henri Dunantに到着。
48番は坂道を上っていくと左側にあります。広いパーキングがありますが、自分で車を停めたくない人は
駐車係の人にも頼めます。ちょっと奥まった場所にあるので、車がない方はカンヌからタクシーかも。
その辺りは各々お問い合わせ下さいませ。ミシュラン2つ星。
La Bastide Saint Antoine 2006年6月4日
私達の結婚記念日は5月20日なのだが、今年は他に色々な予定があって、あっという間に6月になってしまった。
夫と話し合ううちに色々なレストランが候補に上がったのだけど、いつもの悪い癖で当日まで何も決まらず、
今年もまたグラースに行くことになった。せっかくの機会だから違うお店を試してみたかったのだけど、
段取りをつけなかった自分が悪いので文句は言えない。違うレストランはまた違う機会に行くことにして、
今日はとりあえずグラースに行こうと気を取り直した。緑に囲まれたテラスでの食事はきっと気持ち良いはずだし。
いつも予約時間より遅れてしまう私達が、今日は時間ぴったりにお店についた。先にあやぴーと二人で車を降り、
入口にある池に近寄った。「あっ、金魚がいない!」とあやぴーが叫んだ。
「金魚なんかいたっけ?」と思ったのだが、よく考えると確かに昔はいた。どうしちゃったんだろうね。。。
(それにしても、子供の記憶力はすごい!笑)
建物の中に入り、階段を降りてからレストランに向かう。品の良い中年の男性が迎えてくれた。
予約をしている旨を伝え、テラス席に案内してもらう。昨年私達が食事をしたところはテーブルセッティングが
なされておらず、代わりに奥の広いところにたくさんテーブルが出ていて、食事をしている人たちで既に半分ほど
埋まっていた。いつもに比べてスタッフが多い気がするのは、夏が近づいているせいだろうか。。。
いかにも研修生という初々しい男の子が「食前酒はいかがですか?」とやってきた。
時間も遅いしどうしようかな~と思っていたら、栗が「せっかくだから昨年と同じように白ワインをグラスで
もらわない?」と言うので、その案に乗ることにした。
男の子が持ってきた本日のワインは、Château de Peyrassol 2004。コート・ド・プロヴァンスの白である。
さわやかで飲みやすい。初夏にぴったりのワインだった。
料理のオーダーに来てくれたのは、いつもの男性だった。レストランに入ったとき、彼の姿が見えなかったので
ちょっと気になっていたが、再会が叶ってうれしかった。
「お嬢さん、また一段と背が伸びましたね。」と言いながらあやぴーに話しかけてくれた。
彼は私達より少し年上くらいの年齢だと思う。背が高くて、姿勢が良くて、男前。その上声が良い。
気さくな人なので、前に来た時のように笑いながら色々な話をしたのだが、素敵なのはその人だけではない。
「ワインはいかがされますか?」とやってきたソムリエのお兄さんもいい感じの人なのだ。
帰りの運転があるのでハーフボトルが希望である旨を告げ、今日の食事内容をそのソムリエさんに知らせて、
ワインを選んでもらうことにした。ソムリエさんは少し考えた後、自分の一押しだというワインが良いのでないかと言った。
「力強いけど、パワーで押し通すという感じではなく、至ってさり気ないところが魅力。」と熱く語ってくれたので、
そのワインを持ってきてもらうことにした。
食事を決めた後にアミューズ(つきだし)が運ばれて来たのだが、アミューズを頂きながら、そして微風が揺らす
青い葉っぱを見ながら、まずはゆっくりと白ワインを楽しんだ。あやぴーは苺のジュース。数多くの種類の中から、
苺好きのあやぴーが即決したものなのだが、栗や私にとっても苺ジュースというものは初めて。一口飲んだら濃厚な味。
うん、本当に苺ジュース!苺の粒をミキサーにかけて作ったものなのだろう。なんて贅沢!
アミューズは四種類。メロンのマリネ・バルザミコ酢かけ、ネギのパリパリ餃子風、アーティチョークとフォアグラの
ムース、サラダ菜のポタージュ。モダンなお皿にちょこちょこっと乗ってやってきた。メロンとネギ餃子(って失礼な
表現だが。笑)は既に食べたことがあるので驚きはないけど、やっぱりおいしい。サラダ菜のポタージュもクリームとの
バランスがぴったりで、こしょうのように荒挽きにされて散らされたキノコが抜群のスパイスとなっていた。
そして、アーティチョークとフォアグラのムース。栗がメチャクチャ感動していた後、あやぴーも「おいしいよ~!」と
言うので私も食べてみた。なんなんだ、これは!一口食べて「んんん~っ!」唸ってしまった。おいしすぎる!!!
大切に食べようとすこし残していたら、横からあやぴーが来て、「ママ、あやちゃん、これ好きだから
ちょっともらっていい?」と取られてしまった。トホホ。。。(涙)
(ここまでの写真はブログ「ニース健康生活記」でご覧下さい。)
白ワインを飲み終え、別のグラスに赤ワインが注がれた。グラスを持って色や香りを楽しんだ後、口の中に入れてみた。
ほほぉ。。。私はワインに全然詳しくないのだが、そのくせ、図々しいことに好き嫌いがはっきりしている。
このワインは私的にはすごく好みの部類に入ると思った。
研修生と思われるインド人っぽい男の子がパンの入ったカゴを持って来てくれた。私はシリアル入りのバゲット、
栗はエポートル(中世の穀物)のパン、冒険をしないあやぴーはバゲットを頂いた。まもなくあやぴー用に頼んだ
ラビオリが運ばれてきて、私達のところにも前菜がやってきた。

La salade de Saint Jacques avec son blanc manger de pommes de terre, olives, mitonnée de tomate
私はホタテ貝のサラダ。ジャガイモのブランマンジェって何だろうと思っていたら、ホタテの下に白いモノ(これが
多分ジャガイモのブランマンジェ)と黒いモノ(オリーブ)が隠れてました!上に乗ったトマトのソースも抜群だったけど
、何が良かったかって、やっぱりホタテ貝の火の入り加減。外側はカラッとしていて、中は限りなく生に近い感じ。
甘くておいしい~!付け合せのグリーンサラダとも相性ぴったり。あやぴーはグリ-ンサラダ好きなので、
横からやってきてサラダがほしいと言うので、少しお皿に盛ってあげた。とても気に入ったようだった。
おいしいもんねぇ!!!
Le Foie Gras de Canard en Terrine avec sa Douceur de Céleri en Gelée de Porto
栗が頼んだのはフォアグラ。ポルト酒でジュレにされたセロリ付き。
一口もらったところ、まさにフォア(レバー)!口の中でふんわりとろける時に発する奥深い味!すごい~!!!
実は、栗も私もあまりフォアグラが食べられない人なのだが、この一品は心からおいしいと思えた。
鴨さん、ゴメンね。。。
ワインを注ぎに来てくれた若いソムリエの男性がボトルを見ながら言った。
「これ、チーフのお気に入りなんです。ぼくらが勝手にこのワインを勧めると怒られるんですよ。だから滅多に出ない。
今日は久しぶりにこのワインを飲むお客様がいらっしゃると聞いて、どんな方達なんだろうと思ってました。
ワイン、いかがですか?」と言って、微笑するではないか。えええええ~っ!?そんな大切なワインだったなんて!
しかも、感じが良いと思っていたあの男性がチーフ・ソムリエだったなんて!!!
(記念に書いておくと、Domaine JAMET 2002 Côte Rôtieというワインです。)
キラキラした目で私達を見つめるソムリエ君に、栗は「Très bon.(とてもおいしい)」としか言わなかったので、
それじゃなんだか冷たいじゃんと思い、何かもっと言ってあげなくちゃと一生懸命フォローしたのはいいが、
なんせ話に起承転結がつけられない私。しかも、ワインのことはまるでわからないのでボギャブラリーにも乏しく、
栗もソムリエ君も笑っていた(ような気がする。汗&笑)。

Le Rognon de Veau à l´artichaut Violet en émincé sur sa Polente
しばらくすると、メインがやってきた。
私は少しスタミナをつけたいと思い、普段あまり食べる機会のない内蔵系にしてみた。お肉は仔牛。
お肉の下にはポレンタ(とうもろこし粉で作った練り物?)が敷かれていて、紫色をした小さなアーティーチョークの
ソテーと細切りセロリが添えられている。お肉を食べてみたらコリコリした不思議な食感。
意外とクセもなくておいしかったのだけど、ソースのせいか、そういうものなのか、ちょっとコッテリ感じられた。
そんなときに付け合せのセロリを食べると口の中がサッパリするので、お肉とセロリを交互に食べた。
栗が「Rognonってどこの部位だか知ってる?」と聞いてきた。
「内蔵系だと言うのは知ってるけど、どこの部分だったっけ?」と私が言うと、声を低くして、
「内蔵じゃないよ。睾丸なんだよ。」と言うではないか。ええええ~っ!?睾丸~!?・・・・・(汗)。
「だから、オーダーの時に聞かれただろ?そのままの形にするか、スライスするかって。TOMOがスライスにすると
言ったとき、向うの人が頷いてたじゃないか。「リアルな形が苦手な方が多いから、スライスをご希望されるのは
正解ですよ。」って。でも、よく見てご覧。何となく想像できない?」などと言う。
フォークにお肉を刺してよく見てみた。言われてみればそんな気もする。だけど睾丸って。。。(汗&涙)
急に食べる気が萎え、だけど残しては失礼だと思い、「健康のため、健康のため。」と自分に言い聞かせ、
なるべくお肉を見ないようにしながら全部食べた。はぁ、なんてこった。こんなことなら無難なものにしておけば
良かったよ。。。(涙)
Le Dos de Veau de lait du Limousin déclinaison d´Aubergines aux Câpres Secs
一方の栗が頼んだのは、母牛の母乳を飲んで育ったという仔牛肉。
ドライケイパー入りのナス料理が付け合せというのにもひかれてこれにしたらしい。
家ではあまりナスを食べないのに、レストランに行くとナスが食べたくなると言う不思議な栗。
お肉を一口食べさせてもらったら、とってもおいしかった。お肉の味がしっかりしてたし、ソースも抜群。
私もこっちにすればよかったと後悔。。。(涙)
メインを終えたところで恒例のトイレタイム。あやぴーを連れて、トイレに向かった。日本人の女性ソムリエさんがいて、
「場所、わかりますか?」と聞いてくださった。その方は昨年11月からここで働いていらっしゃるとのこと。
フランスのフランス料理店、しかも高級店で、日本人の女性がソムリエをするってすごいことなんじゃないかと感心した。
まじめで、一生懸命で、笑顔を絶やさずに働く彼女の姿を見ていたら、同じ日本人として誇らしく思った。
料理業界で働くのはとても大変だと聞くから。。。
チーズはパスしてデザート。あやぴーにはアイスを持ってきてもらうことにした。と言っても、悲しいかな、
美食店のせいか、バニラやチョコレートと言った普通のアイスはない。。。(涙)
変わったフレーバーばかりの中から、あやぴーは最初レモンバーベナのシャーベットにすると言ったのだが、
フェノッキオで食べて大失敗だったことを思い出し、私が「みかんの方がいいと思うよ。」と言うと、
あやぴーは珍しくすんなりアドバイスに従ってくれた。

La pomme d´amour tiède à la florentine de pistache, lait d´amande, coulis de fraises, glace caramel et réglisse
見てみて!可愛いでしょう~。これ、私のデザート。「pomme d´amour(ポム・ダムール)」と言うのは、
お祭りの屋台でよく見る、赤いベッコウにコーティングされたリンゴのこと。「うんうん、そんな感じ~♪」と、
一人でもキャーキャー騒いでしまうような愛らしさだった。
ブスッとスプーンをリンゴに刺して一口分切りとってから口に入れる。温かくて柔らかい味が口の中に広がった。
リンゴってそのまま食べるのも好きだけど、ホットデザートにも抜群。下に敷かれたピスタチオのペーストは濃厚で、
苺ソースも最高。周りで溶けそうになっていたキャラメルアイスやホイップされたアーモンドミルクは甘い優しい味。
一口食べに来たあやぴーが私の横から離れなくなってしまったほどだった。
(イコール、私の取り分が減ってしまった。涙)
Le Millefeuille de Pommes Sautées avec sa Sauce Caramel
栗が頼んだミルフィーユは既に食べたことのあるものだけど、一応一口食べさせてもらうことにした。
やっぱり生地が違う!サクサクしてコクがある。ミルフィーユが大好きで味にうるさい栗も、これはおいしいと
唸っていた。中身がクリームではなくてリンゴのソテーと言うのもサッパリしていていい感じ。
あやぴーも食べ合いっこ仲間に入れてほしそうだったので、みかんのシャベットを一口もらうことにした。
甘い~!でもミカンの味がちゃんとする。あやぴーは私のリンゴを気が済むだけ食べた後、自分の席に戻って
ミカンのシャーベットを平らげた。
おいしいものを食べた後は満ち足りた気分になる。手間暇かけて作られたお料理は目や口を楽しませるだけでなく、
心も癒してくれるような気がする。木陰の下で、ゆったりと椅子に座って目を閉じると、心地良い風が顔に当たった。
なんて幸せなんだろう。しばらくして目を開けたら、栗が私を見て微笑んでいた。。。
お庭でお花を拾っていたあやぴーがプチフールを食べにテーブルへ戻ってきた。今回はミントのマカロンはなかったが、
瓦の形をした薄いクッキー、四角いクッキー、ミニケ-キとチョコレートがあって、あやぴーは全種類食べた上に、
おいしいからと言ってチョコレートをお代わりした。
コーヒーのリストを持ってきてもらう。私のメニューにも値段が書かれていて、7ユーロという数字にぎょっとした。
(小市民。笑)。一応リストに目を通してみたが、前回同様フェアトレードのコーヒーをお願いすることにした。
栗もそうすると言った。
あやぴーはまた花を拾いにいった。栗と私はコーヒーを飲みながらまったりと食休み。
来る前は新しいお店にトライしたいとか思ってたけど、やっぱりここに来て良かった。
素敵なお店で結婚記念日を祝えて良かった。給仕係の男性に「コーヒーのお代わりはいかがですか?」と言われ、
一瞬迷ったのだが(小市民&主婦魂が、「7ユーロかける2」とざわめいたため。笑)、
私の口からは「お願いします。」という言葉が出た。まだまだここでのんびりしたいという気持ちの勝利だった。
栗、ごめんね。次は私がごちそうするからねと心の中で謝った。。。(笑)
気がついたら4時を過ぎていたので、そろそろお会計を頼むことにした。
どんでん返しが二つ。一つは、わかっていたことだけど、今回も子供の分はチャージされていなかった。
もう一つは、コーヒー代のお代わりもチャージされていなかったこと。
「そう言えば、前回もそうだったかも。」と栗が思い出した。良心的~。
このレストランはホテルも併設されていて、最近、スイートルームとアパート型ルームを備えた別棟を建てたばかり。
普通、設備投資をしたら、その分値段を上げるというお店が多い。それでなくても、コートダジュールのレストランは
値段が高いことで有名。このお店が、美食家やお金を持った人だけでなく、私達のような普通の人にも愛されているのは、
料理、サービス、値段など全ての面において、「お客を想う心」を感じることができるからだろうと思った。
もう一つの大どんでん返しはたった今起こった。私はこのレポートを書くために、rognon(ロニョン)という言葉を
仏日辞典で引いてみたのだが、そこには、「腎臓」と書かれていた。「睾丸」と言うのは栗が作ったデタラメだったのだ。
やられた~!!!!!
栗は本当に強烈な人で、そのことを色々な人から指摘されるのだが、
だからこそ退屈せずに暮らしていけるのだと答えると、誰もが納得してくれる。
美食でも美食じゃなくても、ゴージャスな場所でも自然の中でも、社会的に地位がある人を目の前にしても近所のご老人達と
一緒にいても、自然体でいられる栗を、私は密かに尊敬していて、人生の師匠だと思っている。で
も、こんな人を選んだ自分って、、、と思うことも少なくなかったりする。。。(笑)
美食をテーマにしたコートダジュール旅行には・・
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