プチバカンス記

プチバカンス記

AIX-EN-PROVENCE(エクサン・プロヴァンス) 叔母さん孝行旅行
2007年4月30日 3日目




(エクサン・プロヴァンスの旧市街にあるカテドラル)


朝8時起床。昨日に続き、今日もほとんど自分のスペースがなく、寝苦しい夜を過ごした。
まだ寝ている栗とあやぴーのために、音を立てないように気をつけながら起き上がると、トイレに行った。
その後、顔を洗おうと浴室に移動し、クレンジングジェルを手の平に乗せたところで叔母さんが現れた。
「TOMO、おはよう!昨日はよく眠れた?」と言われた。まだ起きたてで頭が働いていなかった私は、
正直に「いや、あまり。」と口を滑らせてしまった。一瞬にしておばさんの表情が凍った。自分の家に来る人は、
誰もが快適に過ごさないといけない。中世のお城を思わせるような寝室で眠れない人がいるなんてありえないのだ。。。
私はすぐさま自分の失敗に気づき、「あ、いや、眠れなかったと言うか、一度起きちゃったんです。
あやぴーが足をぶつけてきたから。彼女はホント寝相が悪くてねぇ。」とすかさずフォローした。
おばさんはすぐ笑顔になった。「良かった。よく眠れたのね。」と頷いていた。。。(本当は違うんだけど。涙)

さぁこれで顔が洗えると思ったら、それは大間違いである。
おばさんは今日も早起きだったらしく、誰かが起きてくれないかずっと待っていた模様。そこで話は途切れなかった。
大統領選に対しての叔母さんの見解を延々と聞かされ、ご主人が生きていた頃の華やかな昔話(自慢話)を
延々と聞かされ、大叔母さんが亡くなったときの相続問題についての話にさしかかった時、私は顔を洗うのを諦めた。
それまで自分側に向けて、いつでも顔に移動できるような位置にスタンバイしていた手のひらをだらんと下げた。
そして、おばさんの方にまっすぐ向き直った。起きたての顔だけど、1時間でも2時間でも話を聞くわよ~という
姿勢を見せた。すると、ようやくおばさんは私が洗顔前であったということに気付いたようだった。
「あら、ゴメンなさい。私ったら。TOMOはまだ顔も洗っていなかったのよね。
こんなところにまでズカズカ入り込んで悪かったわね。すぐに失礼するわ。」と言い、
洗面室から出て行ってくれた。ホッ。。。

ようやく一人になったので、ジェルがついたままの手のひらに水を当て、泡を立て、顔を洗った。
普段はクレンジング・ウォーターでふき取り洗顔なのだけど、水でバシャバシャ顔を洗うのはやはり気持ちがいい。
あぁ幸せと思っていると、背後に人の気配を感じた。おばさんが戻ってきたのである。。。(汗)
「TOMO、そう言えばさっき話し忘れたんだけど、、、」と言って、今度は友達に関する話が始まった。
私は一度も会ったことのない人達の話である。。。(汗)
顔を水ですすいでいる時だったので、動くことができず、かと言って、「後にして。」と言うこともできず、
水を飲んでしまわないように気をつけながら、「フンフン」と大声で相槌を打った。すぐにすすぎを切り上げ、
顔を拭きながらおばさんの話を聞いた。延々と聞いた。参ったなとは思ったけど、腹は立たない。
今回のテーマは「叔母さん孝行」だし、今日でニースに帰るので話を聞いてあげられるのも最後なので、
心済むまでおしゃべりしてもらおうと覚悟を決めた。

朝食の間もおばさんの話は続いた。楽しい話題なら構わないが、ひたすら聞くしかない自慢話や、お金の話、
病人の話は聞いているうちに気が滅入ってくる。だけど、ご奉公と思って頑張った。
栗とあやぴーがようやく起きてきた時は、「救いの神よ!」と叫びそうになった。

そういうわけで、朝一番にして既に疲労困憊な私。
この後、とてもじゃないけど叔母さんと一緒に散歩に出る気にはならないので、家の中でうだうだ過ごした。
夫も同じように思っていたらしく、朝からラミ(トランプゲームの一つ)に熱中した。
エクサン・プロヴァンスにまで来て、家と同じような過ごし方をすることに多少疑問を感じたのだけど。。。

ふと、栗が、「叔母さん、ちょっと僕達三人で散歩してくるよ。」と口にした。おおお~っ、栗、偉い!大黒柱!
以前の叔母さんだったら、「じゃあ、あやぴーは私が見ていてあげるから、二人で散歩してくれば?」などと
気の利いたことを言ってくれたものだが、身近な人を亡くして気落ちしているせいか、叔母さんはなんだか一気に
年を取ってしまったみたい。静かに「そうね。三人で行ってらっしゃい。」と頷いた。

私の携帯電話の番号をメモ帳に書いてから叔母さんの家を出る。今日までずっと叔母さんのペースで歩いていたが、
三人だと歩くスピードがやっぱり速い。全然速い!あっという間に旧市街に到着した。時間が1時間ほどしかなかったので、
急ぎ足でお店を見て回る。こんなことならトランプなんかせず、早く出かけていれば良かったとちょっぴり後悔。。。

旧市街には市場が出ていた。春野菜がいっぱいでワクワクした。場所柄、観光客相手かと思いきや、
値段を見ると意外と良心的。ずらりと並んだアスパラガスが圧巻で、思わず写真を撮ってしまった。
フランス南西部で育てられたアスパラガスは、ニースで買うよりずっと安い。自宅用に白アスパラガスを1キロ購入した。
おじさんが丁寧にビニール袋の中に入れてくれた。ホクホク~♪




(種類ごときれいに並べられたアスパラガス)


実家の母がエクサン・プロヴァンスの名産「カリソン」が大好きなので、古めかしいお店で母のためにカリソンを購入し、
明日はお義父さんの家で義弟ファミリーとコーヒーを飲むので、お茶請け菓子も一緒に買うことにした。
いよいよタイムリミットが近づいてきたのでUターン。叔母さんの家に帰ることにした。

約束の12時15分ジャストに到着。叔母さんは栗が持っていた買い物袋に目を光らせ、私が手を洗っている間、
栗に何を買ったのか聞いた模様。白アスパラガスを買ってきたのはあまり気に入らなかったらしい。
「安かったから。」という夫のコメントはもっと気に入らなかったらしい。
なぜなら、本日のお昼ご飯の前菜がグリーンアスパラガスだったからだ。。。
プライドの高い叔母さんのこと、グリーンアスパラガスが白アスパラガスより安価だと思われることを
懸念したに違いない。叔母さんが購入したグリーン・アスパラガスがどんなに高くて質の良いものかという説明が
すぐさま始まった。私達はそんなこと全然気にしないのに。むしろ、食材の値段を言われちゃうと恐縮してしまうのに。
自分達のお金で買っているんだから、何を買おうが自由なはずなのに。。。



(1キロ10ユーロ近くしたというグリーンアスパラガス。笑)


ちょっと複雑な思いでテーブルにつくも、アスパラガスは白もグリーンもパープルも大好きな私達。
あやぴーはワシワシ食べてご満悦。私達もおいしいと言ってご満悦。楽しい雰囲気がすぐに戻ってきた。
昨日の残りの丸ズッキーニのファルシ(肉詰め)も頂き、「叔母さんはやっぱりお料理が上手だよね~。」と
盛り上がった。

メインは鶏肉のサフランクリームソース。叔母さんが自ら鶏一羽を切り分けたそうで、身がギュッと引き締ったお肉に
舌鼓を打った。黄色いサフランも、どこかから取り寄せた特別なものだそうで、香りが良くてマイルドなソースだった。
残念ながらあやぴーの口には合わなかったようで、彼女は2,3口しか食べなかったが、付けあわせがご飯だったので
そちらはよく食べていた。

叔母さんはお料理上手なのだけど、毎回失敗してしまうものがある。それはご飯!(汗)
電気炊飯器があり、お米はいつもNISHIKIと呼ばれる日本米を買っているにもかかわらず、
いつもべチャべチャに出来上がってしまう。今回(というか、今回も)、ご飯の炊き方を妙に細かく聞かれ、
私は「分量通りにセットするだけですよ。」と何度も繰り返さなければならなかったのだが、
どうやらセットの仕方がわからないらしい。もう何十年も同じ炊飯器を使っているらしいのだけど。。。(汗&笑)
次回は一緒にセットしてあげようと心に誓った。

今日は食後のチーズはパスして、デザート。三度目のリンゴのタルトを頂いた。
叔母さんのタルトが好きだという栗のために、今朝叔母さんが早起きして作ってくれたもの。
栗は今日も大喜びでお代わりしていた。

最後にコーヒーを頂き、食休みをしてから荷造りをした。と言っても、2泊3日なので大した荷物はなく、あっという間に
終わってしまった。忘れ物がないかチェックした後、いよいよ叔母さんの家を後にした。中央郵便局まで書留を取りに
行かなければいけないという叔母さんを途中まで車で送り、御礼とお別れを言った後、私達はニースを目指した。

帰りの高速もスムーズで、カンヌ辺りから大雨に見舞われたけど、家に着く頃には雨はあがっていた。
お庭にとって恵みの雨だったことだろう。まだお腹がいっぱいだったので、夕飯はお庭のラディッシュとソラマメ、
そしてグリーンオリーブのタプナード(グリーンオリーブのペースト)を作ってパンとロゼワインと一緒に食べた。
シンプルな我が家の食卓。だけど、やっぱりうちがいい。



つづく・・・





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