プチバカンス記

プチバカンス記


(ホテルの敷地を走り回る栗とあやぴー)

BREIL SUR ROYA - 2004年5月21日(晴れ時々くもり)


朝8時15分起床。
栗とあやぴーはまだ寝ていたので、部屋の隅っこでこっそりと体操をしたり、本を読んで過ごした。
あやぴーと栗は9時を過ぎた頃に起きた。

朝食は昨日のレストランで。
中央のテーブルに何種類かのヨーグルト、何種類かのジュース、コーンフレーク、牛乳、バター、ジャムが置いてあって、
好きなように取るシステムらしい。席につくとマダムが飲み物の注文を取りに来た。栗とあやぴーはココア、私はカフェオレ。
飲み物と一緒に、パン・オ・ショコラ、クロワッサン、フランスパンが入った籐のカゴがやってきた。
普段の朝ごはんは、シリアルに牛乳をかけてささっと食べるので、こういう風に、のんびりとおしゃべりをしながら、
温かい飲み物と一緒に、パンにバターやジャムを塗って食べる朝食は、バカンスっぽくて楽しいと思った。

一足先に食事を終えたあやぴーが大声で歌を歌い始めたので、そろそろ外へ出た方がいいかなと思い、
2ヘクタールあるというホテル内の敷地を散歩した。温水プールがあるので一応水着を持ってきていたが、
どう考えても泳ぐには寒すぎる。残念だった。

それでも栗とあやぴーはかくれんぼをしたり、かけっこをしたり、楽しそうに遊んでいた。私はそんな二人を遠くに見ながら
、のんびりと芝生の上を歩いた。川の流れる音、鳥のさえずり、ひんやりとした空気、、、いかにも高原の朝っぽい。

快晴と言う天気予報が外れてくもり模様。宿のマダムはこういう雲行きの時は山歩きしない方がいいと言う。
予定を変更して近くの村を訪ねることにした。その前にまたブランコ遊び。
栗があやぴーの背中を押している間、あやぴーはずっと歌を歌っていた。自作の調べに、即興で作った詞をのせて。
よく聞いているとおもしろい。


Un cadeau de mon anniversaire 私の誕生日のプレゼント
J´aimerais qu´on me donne   くれるといいな
J´aimerais qu´on me donne   くれるといいな
J´aimerais qu´on mŽoffre    もらえるといいな
J´aimerais qu´on mŽoffre    もらえるといいな


+++++


Alors, j´adore  だから大好き
Alors, j´adore  だから大好き

+++++


La petite fille, il lui arrive quelque chose  小さな女の子に何か起こる
La petite fille, il lui arrive quelque chose  小さな女の子に何か起こる
Quand elle arrive une méchante sorcière     意地悪な魔女がやってくるとき 

+++++

La petite fille dit bonjour à sa maman   小さな女の子がママに「こんにちは」って言う
comme elle dit pardon à sa maman      ママに「ごめんなさい」って言うように

+++++


チェックアウトをして、SAORGE(サオージュ)へ向かった。前回雪山に行った時にも寄った村である。
その時は車の調子が悪く、村を散策せずに引き返したので、また行ってみようと言う栗の提案である。
曇り空が段々明るくなってきて、青空が見え始めた。村の中を通り抜けて山道を歩く。
対岸側から見る景色は驚くほど美しかった。山の中に村がぽっかりと浮かんでいるみたい。



(SAORGE = サオージュ)

Madone de Poggioという教会を通り越し、山道を歩きつづけた。
野生の花、トカゲ、蝶々などを見ながら、平坦な道をゆっくり歩く。
いちじくや杏、アーモンドといった実をつけている果樹がたくさんあった。

すると、突然栗が「あっ、ヘビ!」と叫んだ。
地面に目をやると、限りなく白に近い薄緑色のヘビが急いで道を横切り、草むらの中に消えていった。かなり大きい。
あやぴーの身長くらいはあったかもしれない。あやぴーはヘビが見れずに悔しがっていたが、実際見たら恐がっただろう。
見ないでよかった。1時間ほど歩いたところで、お昼になったので、もと来た道を引き返して、サオージュの村に戻った。

外のテラスで食事ができるカフェ・レストランに入る。日差しがまぶしい。
Tourte saorgienneというサオージュ特製のタルトとやらを前菜に頼み、
メインには栗が溶かしカマンベールとグリーンサラダ、私は昨日の晩に引き続きヤギのチーズのサラダ、
シェーヴル・ショーに決め、トマトが食べたいあやぴーにはニース風サラダを頼んだ。

ところが、サオージュ特製タルトの大きいこと!おまけにトマトとレタスがたっぷりついている。
あわてて、あやぴーのニース風サラダはキャンセルしてもらった。これで十分。

サオージュ特製のタルトは、ピザの具をタルト生地で包んだようなもので、あっさりしていておいしかった。
あやぴーは栗と私のトマトを奪い、タルトもほぼ完食した。

続いてやってきたサラダのボリュームにもびっくり!トーストの上に乗ったヤギの乳のチーズがめちゃくちゃおいしかった。
この辺りで作られているものなのかしら。栗が頼んだカマンベールのグラタンは、カマンベールが丸ごと一個溶けていたので、
スプーンにすくって食べていた。こってりしてそうだったので、味見しなかったが、おいしかったそうだ。
付け合せで頼んだグリーンサラダもすごいボリューム。

一足先に食事を終えたあやぴーは、持参したノートに絵を描いたり、その絵にお話をつけて、朗読していた。
向かいの席に座ってビールを飲んでいた地元のおじいさんが、あやぴーの朗読に気付き、最初の観客となった。
その後、若いヒッピー風の長髪のお兄さんも観客の輪に加わってくれた。
あやぴーはやる気が出たのか段々と声が高くなり、創作話の読み聞かせは終わるところを知らず、
朗読会は果てしなく続いた。

私達の席の横には、村に住んでいると思われるヒッピー風の若者軍団がたまっていて、色々な話をしていた。
中でも、フランスで論議をかもしている、有名人が集まって農場で暮らすというテレビ番組の話について熱い討論になっていた。
「ひどい番組だと思うなら見なければいいだけの話」と言い放った人に、私達もこっそり一票。(笑)

おなかがいっぱいだったので、デザートはさすがにパスし、コーヒーをもらった。太陽の光が気持ちいい。
石造りの家や周りの緑がきれい。いい季節に来てよかったな~と思った。のんびりした場所から離れる気にならず、
もう一杯コーヒーを飲んで粘った後、いよいよ決心して店を後にした。午後も山歩きが待っている。

Restaurant Lou Pountin

06540 Saorge
tel.04 93 04 54 90

午後は山を登っていくコースを選んだ。散策早々、どちらに行くか迷うところがあって、
「えいっ!」と片方の道を進んでいったら、両方ともが修道院に行く道だった。心配して損した。。。(苦笑)
修道院から眺める村はとてもきれいで、それを囲むような遠くの山々を目をやると、すがすがしい気持ちになってきた。
さぁ、これから頑張って歩こう!

見事なバラを見ながら、人の家と家の間をのんびり歩いていくうち、すぐに何もない自然の道に変わった。
黙々と山道を登る。あやぴーが早くも疲れたと言い出したので、野生の花やハーブを見せながら、なんとか励まして歩かせた。
日差しが強いので、時々日陰に座って、水飲み休憩。

1時間ほど歩いたところで、分岐点にさしかかった。水飲み場があったのだが、飲むのは恐い。
手を洗い、首やひじに水をつけた。ひんやりとして気持ちがいいので、あやぴーにもつけてあげた。
すると、青紫色の小さな蝶々を見つけた。よく見ると、ここにもそこにもたくさんいる。

あやぴーは「見てみて、蝶々だよ!」と喜び、そのうちの一匹をつかまえた。
私も小さな頃、こうやって蝶々を取っていたなぁ、、、と懐かしい思いになったが、「かわいそうだから放してあげなさい。」と
言った。嫌だと首を横に振るあやぴーに、「蝶々は羽が取れたら飛べなくなって死んじゃうんだよ。」と栗が言うと、
「死んじゃうの?」と驚き、蝶々を放してあげていた。

それから更に山道を登って行くと、急に視界が開け、人家が見えた。牧草地の横に大きな小屋が建っている。
「もしかしたらヤギでも入るんじゃない?」とワクワクしたが、中には何もいなくてがっかりした。
しかし、ロバと馬が一匹ずついて、動物好きのあやぴーは喜んだ。

人家を抜け、更に道を続ける。ずいぶん登ってきたけれど、頂上はまだまだ上にある。
あやぴーは足取りが段々重くなり、「疲れた。」「もう歩けない。」「パパ、肩車して。」の三言しか言わなくなった。
それでも何とか歩き続けていたのだが、ふと空を見ると、雲が立ち込んできている。
時間的に頂上に行くのは無理そうなので、あやぴーの余力があるうちに、山を下りようということになった。

帰り道はひたすら下りなのでラクラク。
人家を通り過ぎ、誰もいない大きな家畜小屋を眺めていると、羊が一匹つながれているのが見えた。
紐を取ろうと、ものすごい勢いでもがいている。お仕置きで留守番させられたのかな。。。

しばらく行くと、カランカランと言う鈴の音がして、まもなく白いものが目の前にドドドッと現れた。やはり羊の集団であった。
中にヤギも2,3頭いる。若い羊飼いのお兄さんが羊を横に押しやって道を開けてくれた。
羊達はこれ幸いと脇道の草を食べたり、上の方に登っていったりした。「こんにちは。」とあいさつして、少しおしゃべり。
私達が上の方で見た羊は、やはり罰として居残りさせられていたらしい。激しい気性の羊なのだとか。




行きに蝶々がたくさんいた水飲み場に着いたが、蝶々はもういなかった。みんなで移動しちゃったのかな。
あやぴーはがっかりしていた。

段々と村に近づいてきた。修道院の芝生でおやつ休憩をしていると、おじさんがロバを2頭つれて山から下りてきた。
そして、修道院の横にある広場にロバ達をつなぐと、どこかに消えていってしまった。
「残っているパンをあげようよ!」と私が言うと、「飼い主に聞かないとダメ。普通のパンだと消化できないかもしれないし。」と
栗に反対された。

でも、子供を連れた地元の人らしい女性はロバ達にパンをあげている。近づいて話を聞いてみた。
おじさんは山に逃げていったロバを連れ戻しただけで、飼い主ではないことが判明。
また隅に置いてある乾いたパンはロバ用だから、少しあげてもいいんじゃない?と言ってくれた。

山に行ってロバを連れ戻してきたというおじさんの手腕に感心しながら、私達も乾いたパンをあげることにした。
小さく割って手の上に乗せると、ロバはハフッと手の上からパンだけを取り、バリッバリッと気持ち良い音を立てて砕き食べた。
1頭だけにあげるのは不公平なので、もう1頭にもパンをやった。

名残惜しみながら村を通り抜け、車に戻り、家を目指すことにした。
時間があったらイタリアのスーパーに寄って、、、なんて話していたのだがとんでもない!
国境の街は恐ろしいほどの渋滞だった。高速に向かう道は長い列が並び、動く気配すらない。。。
スーパーに寄るのはあきらめ、普通道でフランスに入ることにした。しかし、これが大失敗。
普通道もものすごく混んでいたのだ。。。(汗)

ようやくフランス国内に入ると、今度はマントン市内が大渋滞。
イライラを通り越し、ぐったりとなってきた頃、ようやく高速への道にたどり着いた。
高速も渋滞しているかと思いきや、全然スムーズ。
これならば、渋滞していても、やはりイタリアから高速に乗るべきであった。後悔先立たず。。。(涙)

とは言え、家についたら、疲れが一気に吹っ飛んだ。
いつも旅行から帰ってくると、「やっぱり家が一番。」と思うのだが、
今日は帰り道が苦しかったこともあり、普段以上にそう感じた。

栗とあやぴーは早速庭に行き、夕飯のための野菜を取ってきてくれた。
ラディッシュは洗って根っこを切り、ソラマメをゆでて、レタスでグリーンサラダを作る。
パテとパンと冷やしたロゼが気持ち良い初夏の晩餐。やっぱり家が一番だね!



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