プチバカンス記

プチバカンス記


(BREIL SUR ROYA = ブレイユ・シュー・ロワイヤ)

BREIL SUR ROYA - 5月20日(晴れ時々くもり)


午前10時半ニース発。新しい車での初めてのお出かけなので、高速は慎重に走る栗。雪山に行った時と同じように、イタリア国境を越えて最初の街VENTIMIGLIA(ヴェンチミリア)で高速を降りる。それから北上。

あやぴーが「具合が悪い」と途中で自己申告をしたため、イタリア領で二度ほど休憩した。しばらくするとまたフランス領になった。しりとりをして遊んでいるうちに目的地のBreil sur Roya(ブレイユ・シュー・ロワイヤ)に到着。村はRoya(ロワイヤ)川のほとりにあるのだが、村のちょうど前あたりは小さな湖のようになっている。

パーキングに車を停め、歩き始めた。釣りをしている人がたくさんいて、マスが釣れた人があやぴーに魚を見せてくれた。立派なマス。あやぴーは何故か恐がった。おじさんの腕に大きな刺青があったからかな。


湖のほとりを歩きつづけると、鴨やあひる、白鳥などがたくさんいた。おやつ代わりにパンを持ってきていたので、鳥達にちぎってやることにした。あやぴーは大喜びしてえさをあげていたが、七面鳥に近寄られて、泣きそうになった。

お昼ご飯を食べに、川縁にあるレストランに入った。あやぴーはマスがたくさん入った大きな水槽を見つけるとダッシュで近寄った。テラス席はまだオープンされていなかったため、室内に入る。教会に続くこの建物は昔オリーブ油を製造していた場所だったらしく、レストランには当時の機械が飾られていた。

マスを食べようかとも思ったのだが、メニューに「飼育のマス」と書かれていたので止めた。栗も私も本日のコースとやらにして、あやぴーにはお子様コースを頼んだ。


あやぴーの前菜のハムは、人の顔のように飾り付けがされていて、あやぴーはびっくりしていた。目を食べ、まゆげを食べ、口を食べ、少しずつハムにとりかかる。私達の前菜はantipasti(アンティパスティ)。冷菜、温菜、色々なものが一皿に盛られてきた。ワクワク。中でも生ハム・メロンとトマトの肉詰めがおいしかった。あやぴーはキノコのマリネが気に入ったらしく、私のものをほとんど平らげてくれた。

あやぴーのメインはチキン・ナゲットとフライドポテト。でも前菜でおなかが一杯になってしまったのか、あまり食べなかった。栗と私は仔羊のロースト。morille(編笠茸)というキノコのソース。付け合せは豆の煮込みとフライドポテト。皮つきのしっかりしたポテト。鼻が詰まってはいたが、あっさりとしていておいしいことはわかった。

コースにはチーズもついてくるのだがおなか一杯だったのでパスし、デザートを頼んだ。あやぴーはチョコレートのアイス。おしゃぶり型のキャンディもプレゼントにもらった。栗と私はアップルパイ。ヘーゼルナッツのアイスクリームと生クリームが添えられるとのことだったので、私は生クリームは抜いてもらった。アイスだけが好きなのだ。アップルパイに添えるのはバニラアイスだと思っていたけど、へーゼルナッツ味も悪くない。サクサク食べてしまった。

しばらくすると、イタリア人の業者がやってきた。マスを飼育している人らしい。シェフが登場して対応。シェフもイタリア人だった。道理で料理がイタリアっぽいと思った!

あやぴーはレストランに飽きてきたようで、「外にお魚見に行ってもいい?」と盛んにテーブルとマスの水槽を行き来していた。「ママ、お魚すごい増えたよ。見においで。」と言うので一緒に外に行くと、マスがぐんと増えていた。飼育の人が中に入れたのだろう。食後のエスプレッソはフランス式。ゆっくり食休みをしてから散歩に出かけることにした。

Restaurant Le Roya

Place Brancion
tel.04 93 04 47 38
月曜日定休

ちょっと曇ってきた。風もある。しかし、そのまま散歩を続けることにした。手持ちのガイドブックに、Breil(ブレイユ)の村から1時間でいけるというNotre-Dame du Montという教会が紹介されていたので、そこを目指すことにした。住宅地の中を歩き、それから家庭菜園の間と間を歩き、山道を登っていった。川に沿って。周りには誰もいない。自然と自分達だけがそこに在る。私達らしい散歩道でうれしくなった。

山道には様々な色の花がきれいに咲いていて、あやぴーは「この花とってもいい?」と一回一回栗に聞いてから花を摘み、ブーケを作りながら歩いていた。新緑が青々しくて気持ちいい。水が流れる音と鳥がさえずりに包まれながら、のんびりと歩いた。

山道を登りきると、突然コンクリートの道になった。そして、目を上げるとオリーブの木がいっぱい!広いオリーブ畑が山の中にあるのは不思議な感じがした。

オリーブの木の根元には白や黄色の花に、デルフィ二ウムのような紫色の野生の花が咲いていて、雑草の緑と良いコントラストになっていた。お目当ての教会が正面に見えたので、そこを目指してコンクリートの道を歩き続けた。


(オリーブ畑の上にある教会Notre Dame du Mont)

11世紀に建てられたという教会、入ることはできないが、金網から中を見ることはできる。小さな、古い、山ならではの簡素な教会。あやぴーとしゃべりながら中を見ているうちに、音響が良いことに気が付いた。栗にも教えてあげて、みんなで声をあげながら実験をした。

しばらく教会の周りで景色をボーッとながめたり、水を飲んで休憩してから、道を下ることにした。今度は違う道を歩くことに決める。コンクリートの車道だったのだが、車は全く通らない。とうとう最後まで一台の車とも出会うことはなかった。

この道にもたくさんの野生の花が咲いていて、赤いポピーや深紅の野生のグラジオラスがあやぴーのブーケに加わった。本来は野生の花は取らないように教えているが(禁止されている場所も多いし)、ここには珍しい花はなく、たくさん咲いていたので、今日は特別。そのせいか、あやぴーはとても大事そうにブーケを抱えていた。

あっという間にブレイユの村に到着。湖のほとりでまた鳥達にえさをやり、それから湖を一周した。赤ちゃん鴨をたくさん連れた母鴨に感激だったが、一番驚いたのは鴨同士のケンカである。緑の頭の鴨が二羽で取っ組み合いのケンカをしていたのだ。栗も私もその激しさに驚いた。しかも、一組だけではない、あちこちでそういうケンカが見られ、しばらくすると今度は相手を変えてまたケンカが始まるという始末。メスの取り合いをしていたのだろうか。。。

湖を一周してから村の中を散策した。狭い通りが長く続く村の在り方はイタリアっぽいと思った。ブレイユは元々イタリアの領土だったのだ。フレスコ画が見事に修復されている大きな教会L’Eglise Sancta-Maria-in-Albisでも、内部に飾られている絵はイタリア語で文字が書かれていた。村にあるその他2つの教会は、現在修復工事中で中に入ることはできなかった。残念。

車に戻り、今晩宿泊するホテルに向かった。Breilの駅を過ぎるとすぐ右側に入り口があった。山道を下って敷地に入る。大きな木が出迎えてくれた。横には川も流れている。建物の中に入り、女主人にあいさつし、部屋に通してもらった。予約の時点で唯一残っていたという12号室。ダブルベッドの横に子供ベッドを入れておいてくれていた。窓からはホテルの庭が見える。

しばし休憩。テレビではちょうどジャン・ギャバン主演の映画「レ・ミゼラブル」が放映されていて、三人で見入ってしまった。私は悲しいシーンに涙しながらも、素晴らしい映画だなぁ、ジャン・ギャバンってやっぱりすごいなぁと感動していたのだが、栗は「あれ、原作もこういう終わりだったっけ?」とか言いながら、ユーゴーの作品性について延々と語っていた。。。(汗)

映画が終わったところで、夜の食事のための腹ごなしに出かけることにした。ホテルの敷地を出て、川のそばを気の向くままに歩いて行った。滝を見たり、浜辺のような砂があると驚いたり、岩をよじ登ったり、流れの速い川を眼下に見てヒヤヒヤしながら1時間ほど歩くと、民家にぶつかってしまった。これ以上は進めないので、仕方なくUターン。

帰り道の途中にあった工事現場を良く見ると、tomette(トメット)という八角形のレンガ色をしたタイルがたくさん捨ててあった。ラッキー!我が家にもあるこのタイルは南仏特有のものらしいが、普通のタイルよりかなり小さいので作業に時間がかかる。そのせいか、需要がどんどん減っているらしく、次々と工場が閉鎖され、今では探すのにも一苦労。なので、私達はトメットが捨てられていると、持ち帰らずにはいられない。今日もきれいそうなものを選んで拾い、ホテルまで落とさないように運んだ。車のトランクにタイルを詰め、ホテルの敷地にある遊具コーナーであやぴーを遊ばせてから、部屋に戻ってシャワーを浴びた。

夕飯を取りに一階のレストランに行く。オーナー夫妻の子供達がご飯を食べているところだった。「奥にどうぞ!」と言われて、中に入ると、広いレストランスペースがあった。朝・夕食付きのdemi pensionでお願いしていたので、決められたコースを食べる。私はお昼に食べ過ぎたので、夕飯はあやぴーとシェアすることにした。

前菜は私の大好きなchevre chaudのサラダ。グリーンサラダの上に、ヤギのフレッシュチーズが乗っかったトーストが置かれている。家で作るような感じのものだったが、シンプルで好感が持てる。あやぴーは野菜が大好きなので、トマトとレタスをわしわし食べていた。

メインはフィレ肉のステーキ、ベルネーズソースがけ。付け合せはジャガイモのソテーとラタトゥイユ。あやぴー、ラタトゥイユは食べなかったが、フィレ肉とじゃがいもは半人前をぺロリと平らげた。フィレ肉を食べるのは久々だったが、焼き方が良く、ソースもぴったりでとてもおいしかった。

デザートはフルーツサラダ。カシスのシャーベットが乗っかっていて、いい感じ。あやぴーがぐずり出してきたので、デザートを食べ終えたところで席を立った。部屋に戻ってしばらくベッドの上でお人形さんごっこにつきあわされたが、電気を消すとまもなく就寝した。

・・・・・

夜中に一度起された。あやぴーがブタブタがいなくなったと泣き出したのだ。(注・ブタブタとは、ベッドの友にしているブタのぬいぐるみ)。ベッドの下から拾って手渡したが、一緒に起きた栗の咳が止まらず、再び眠りに落ちるまで時間がかかってしまった。かわいそうな栗。


Hotel Castel du Roy

Route de Tende - RN204
tel.04 93 04 43 66
fax. 04 93 04 91 83
http://www.castelduroy.com


旅行記2日目につづく



●BREIL SUR ROYAへのおすすめ書籍●

●Michelin Green Guides "Côte d´Azur"(ガイドブック・英語)
●Guide du Routard "Côte d´Azur"(ガイドブック・仏語)
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